嘘と魔法が勘違い【赤葦京治】 (ページ15)

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そして月曜日

いつも通り朝練に向かうとにやにやしながら木葉さんが寄ってきた。

秋「赤葦ぃ、土曜日女の子とデートしてなかった？」

京「え？」

予想外の言葉に俺は思わず手に持っていたタオルを落とす。

...あれは果たしてデートというのか...。

京「...デートじゃ、ないです。」

少し迷った結果、あれはデートではないということにした。

秋「まじで？声掛けよか迷ったけど赤葦が楽しそうだったからやめといた。」

楽しそうだった。

それはきっと間違いじゃない。

というか声をかけないでくれた木葉さんに感謝だ。

秋「で、赤葦はその子のこと好きなの？」

京「...好き...ではないと思います。」

俺の少しの間に木葉さんは不思議そうな顔をした。

俺だって自分が不思議だった。

自分でも、一瞬迷ってしまったのだ。

Aのことが好きかどうか。

でもまだ出会って少ししか経ってないし、なにしろ彼女はもうすぐ死ぬのだ。

今さら惚れたってしょうがない。

秋「ふぅん？まぁでも色々頑張れよ。」

そう言って木葉さんはにやつきながら俺の背中を軽く叩いて用具室に消えていった。

”頑張れよ”

一体、俺はなにを頑張るというのか。

...いや、頑張らなければいけないことだらけなのかもしれない。

彼女が死ぬまでにしたいこと。

それは後、いくつなのだろう。