まちがいさがし ページ1
”AA”
彼女のことを梟谷学園高校の2年生で知らない人はきっといないだろう。
俺ももちろん知っている。
喋ったことはないし彼女のクラスは2年4組だから俺とは違うクラスだし、接点など全くない。
それに加えて彼女は部活に入っている訳でもなければ生徒会、委員会にも所属していない。
”普通なら”目立たない人だ。
でもあいにく彼女は普通ではなかった。
雰囲気で言ったら少しだけ...本当に少しだけ木兎さんに似ている。
周りを巻き込む明るさと向日葵のような笑顔。
困っている人がいればすぐに駆けつけ、楽しむときは全力で楽しむ。
俺は彼女のことを語れるほど彼女のことをよく知らないからホントのところはどうなのか分からない。
でも傍からみた印象はそんな感じだ。
いつも周りに人がたくさんいる彼女。
別に特別関わろうとか関わりたいとか思ってはいないから多分この先、1度も関わることなく卒業していくのだと思っていた。
今、このことが起きるまでは。
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作者名:兎月うさぎ | 作成日時:2021年2月19日 22時