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東京では友達も彼氏もいない
知り合いも大学やバイトで挨拶を交わす程度しかいない
その日もただ誰かと話したくて適当に電話をかけた
「もしもし」
?「もしもし」
低くて優しいその声。声フェチな私にとってはドタイプの声だった
「大学生の方ですか?」
?「あー、僕は社会人です」
「そうなんですね、お仕事お疲れ様です」
?「ふふ、ありがとうございます」
笑い声も優しくてたった数秒しか話してないのにもっと話してみたい
そう思った
?「るいちゃんは大学生?」
あ、ニックネームだ もし知り合いに出会ってしまったときバレないために
本名と全然違う名前に設定したから一瞬呼ばれてびっくりした
大抵のひとは会話するのが目的だから名前なんか設定しても呼んでくれる人はあまりいない
「あ、そうです。今日も朝に学校行って夕方からさっきまでバイトしてました」
?「大変だね、でも若いのにすごいよ」
「いやいや、ただキラキラした東京に憧れて両親の反対を押し切って上京したんです
でも待ってたのって友達や知り合いがいない寂しい毎日でした
地元でいた時より時間の流れが早く感じる、私だけ取り残されてるなって」
?「そっか、、」
「あ、重いですよね。初めて話したのに」
?「分かるよ、俺もその気持ち。」
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作者名:ぴすたちお | 作成日時:2022年3月8日 21時