A.ー ページ10
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「はい､そのボールをくれた本人も『やっぱボールも大好きな人の手元に行った方がいい！』と言ってましたよ｡」
笑いながら言う槻は嘘をついているようには見えず､藤原はサインボールを大切そうに抱えながら部屋に持っていく｡他の皆もそれに連れられて､もらったものを自室に持っていった
戻ってくると槻がキッチンで料理をしようとエプロンをつけていた
「あ､槻...くんやっけ？今日は俺が作るで！お仕事疲れたやろ？」
大橋に言われ､眉を八の字にさせてお願いします､とキッチンを離れる｡大橋は任せろと言わんばかりの自信に満ち溢れてる表情でキッチンへ入る
料理を作っていれば､順番に皆が降りてきて､全員が座れそうな大きさのテーブルを片付けていく｡槻は入れ替りでノートと紙を持って､2階に行った
「ここ僕の席ぃ〜！」
「え！じゃあ俺はここ〜｡」
「んー､じゃあ俺は謙杜とみっちーの間〜｡」
「これは西畑たちも決める感じやなwじゃあここ！」
「僕はその隣にしよかな｡」
「おおにっちゃん...！」
「丈くん達はどこにします〜？」
「おおにっちゃん...」
「えぇ〜？僕はキッチンに近い方がええかなぁ？」
「残りの席は道枝と大橋の隣か...それなら大橋の隣やな｡」
片付け終われば､部屋を決める時と同じようにわちゃわちゃしながら席順を決めた
「ふふっ､皆さん仲良しなんですね｡じゃあ...道枝さん､お隣失礼しますね｡」
「...え？あ､うん｡どう､ぞ？」
いつの間にか降りてきた槻は仲睦まじいなにわ男子を暖かい目で見守っていた｡やることもなく､席について大橋のご飯を全員で話しながら待つ
「できたでぇ〜､運ぶん手伝ってぇ！」
「はぁい！」
8人分の料理を1人で運ぶのにはやはり時間がかかるようで､全員で協力しながらおかずを運んだり､白ご飯を運んだりする
大橋が用意してくれたご飯を前に皆､目を輝かせる
藤原の声に手を合わせ､いただきますと言ってご飯にかぶりつく
ほくほくと温かい白ご飯に､しっかり焼かれてオイスターの味が染み込んでいるちょうどいい濃さのお肉にご飯を食べる手が進む
「結構うまく作れたオイバタポークソテーや！どうどう？美味しいやろぉ？」
嬉しそうに語る大橋に美味しいと目を輝かせて頷く年下組｡それにもっと嬉しそうにする大橋は自分のご飯を口に運び､幸せそうに笑みをこぼす
藤原も小さく美味いと伝え､それを西畑がいじって､大西は我関せずというようにご飯を食べ進める
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作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
