A.ー ページ7
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申し訳なさそうに人数分のお茶を持ってくる彼の右目は髪で隠れていた
「お構い無く〜､こちらこそお仕事前に来てしまってすみません...」
西畑の言葉に先程と同じように優しく微笑む彼
「いえいえ､大丈夫ですよ｡急なお願いに答えていただき､ありがとうございます｡
良ければこのノートに色々書いてくれませんか？この紙には2階の部屋割りが書かれています｡どこの部屋がいいかを決めてもらえると助かります｡」
机の上に置かれたノートと紙を見る
ノートはそこら辺のお店で売られてるような至って普通の大学ノート｡紙には大きく10個の部屋があり､既に部屋2つにはバツ印がついている
「なんか...急に普通のノートと紙出てきたな｡」
「せやな！意外と庶民的なんかなぁ？」
会話を交わしながら､食いいるようにその紙を見ていると､細く長い指がバツがついている部屋を指差す
「こっちの部屋は僕の部屋です｡こっちは僕の仕事用の服などが入ってる部屋なので入らないようにお願いします｡」
穏やかな声でゆっくり伝えられる
「それでは仕事なので､行ってきますね｡」
「...あ､行ってらっしゃい！！」
少し小さめな鞄をもって､隠れていた右目が見えるようになった彼にそう伝えれば嬉しそうに笑い､頭を下げて外へ出ていった
「べっぴんさんやったなぁ〜｡」
「ほんまに...」
「でも､あんな綺麗な子なら一度会ったら忘れへんよな？西畑､あの子に会った記憶ないんやけど...お世話になったっての嘘やったん？」
西畑の言葉にハッとし､頭を抱える
暗い雰囲気が漂いそうなとき､長尾がノートを持ち､皆に話しかける
「まぁでも､今気にしても遅いんやし､このノートでも見ましょっ！」
「...せやな､謙杜の言う通りや！ノート見よ〜｡」
確かに､とぞろぞろ大橋と長尾を囲むようにして皆でノートを開く
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作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
