Q.教えてください､歩む道を (ページ6)

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A.― ページ6

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大倉から一人暮らしということを聞いて､なにわ男子全員住めるのかと心配していたのがバカみたいだ｡大倉がずっと大丈夫､と言ってたのは､この家だと知っていたからなのだろうと納得する
この際､話しといてくれという不満は水に流すことにした

こんな大人数でいつまでも立ち尽くしているわけにはいかず､大橋が震える手でインターホンを鳴らした

もし家を間違えていたらどうしよう､もしそっち側の仕事をしている人の家だったらどうしようと嫌な汗が背中を伝う

〈ふぁい､ほちらしゃまでひょうか？〉

インターホンから聞こえてきた声はかろうじて男性と分かる少し高めな声だった
怖いおじさんに詰められて､など予想と違うことが起き､安堵からか呆然と立ち尽くしているとインターホンから困惑する声が聞こえてくる

〈あ､あのぉ？〉
「あ！す､すみません！なにわ男子です！」

慌てて大橋がなにわ男子だと伝えれば､ちょっと待っててくれとインターホンが切れた

自然となにわ男子全員で顔を見合わす｡一斉に肩の力を抜き､息を深く吐けば､

「怖い人やなくてよかった...」

と大西が安心したような声で言う｡皆苦笑いを浮かべながら同意する

談笑をしていたら､ガチャっと扉の開く音が聞こえる

「お待たせしました､皆さんどうぞ中へ｡」

中から出てきたのは､眼鏡をかけた黒髪の細身な人だった
関西特有の訛りがなく､どちらかというと関東の方の話し方をする彼は､どこか惹き付けられる端正な顔をしていた

「あの？中に入らないんですか？」

ついつい見惚れてしまい､彼の声で意識を戻す

「すみません､入ります！！」

大橋の大きい声に驚きながらも､微笑みながらどうぞと言う彼は紳士そのものだ
中に入れば､広々とした玄関｡広い廊下｡解放感のあるリビングにオープンキッチン｡綺麗にまとまった家具に全員座れそうな大きなソファ
埃がひとつも見当たらない綺麗な内観は外観とも相まって､高級感が増していった

「おもてなしが出来たらよかったんですけど､すみません｡今から仕事があってすぐ出なきゃいけないんです...」

申し訳なさそうに人数分のお茶を持ってくる彼の右目は髪で隠れていた