Q.まいご ページ45
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「なぁなぁ！憐くん！！」
「...」
「､？憐くん？」
長尾と大橋が声をかけても槻から返事が返ってこない
チラチラ見ていると先程から食事をする手も止まっており､微動だにしないのだ
「...槻くん？聞こえとる〜？」
「槻？無視すんなや｡」
藤原も言葉は少し鋭くとも､表情は心配している
高橋や大西､西畑もどこか心配そうに眉を八の字にしていた
「...はぁ〜｡」
「どないしたん？みっちー｡」
道枝が深いため息をつくと､槻の肩をトントンッと2回叩く｡肩を叩かれてやっと意識がこっちに戻ってきたのか､槻が心底不思議そうな顔をしてこちらを見てくる
「えっ､と〜､どうかしましたか？」
誰から呼ばれたかわからないのか､キョロキョロと焦ったような顔で全員の顔を見ている｡いつもよりなぜか少し顔色が悪い気がするのは気のせいか？
「いや､さっきから動きが止まってたから､どうしたんやろ〜って気になってな｡声かけても返事なかったから大丈夫か心配になってん！
顔色もちょこっと悪そうやけど､大丈夫？」
「あ､あぁ｡ありがとうございます､大丈夫ですよ｡すみません､少し考え事を...」
槻が眉を下げながら､申し訳なさそうに笑みを浮かべる
その表情に安心したのか､長尾はニカッと笑って大丈夫ならよかった､と食事を再開した
大橋と藤原がチラッと槻を見ると､やはりまだ顔が曇っている｡何か助けになれないか考えるが､何に悩んでるのかもわからないまま下手に手を出すと､仲が拗れる可能性がある
少々心苦しいが､槻の悩みがわかるまでは見守っておこう｡そう決めた
その日はずっと槻の表情が明るく光が差すことはなかった
明日にはもう落ち着いているだろう｡明日こそ､明日こそ｡明日こそ...
2週間経った今でも､槻の表情が晴れない｡初日よりかは明るいが､ふとした時に影が落ちる｡さすがにそろそろヤバイと感じたのか､なにわ男子に緊張の糸が張りめぐっている
雰囲気が暗い食卓｡少しでも明るくしようと話題を捻り出そうとするが､良さそうな話題が見つからない｡もう限界というところで､大橋がある話を思い出した
「そうやん...この人の話があるやん！！」
小声で言った大橋の言葉は藤原はもちろん｡槻を除いた全員に聞こえて､皆の視線が大橋に集まった｡全員の目をしっかり1人ずつ見たあと､意を決して大橋は大きく息を吸う
深く息を吐いた後､槻にも聞こえるよう大きな声でとある話題を出した
「そろそろやな！8.8祭！」
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作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
