A.長尾 謙杜 ページ36
.
テレビの音や大橋くん達の声をBGMに今､みっちーと一緒にリビングで課題をやってる｡いつもは自分の部屋でするんやけど､今日はリビング！
それにはもちろん理由があるんよ｡
その理由ってのはぁ〜...
「憐くん...勉強わからん！！教えて？」
そう､今回の課題の範囲にちょうど苦手分野が入っとったから！
憐くんは俺らの表情の変化にすっごい敏感やねん｡やから､得意なところとかできるところを分からへんふりしたらバレそうってみっちーと話した｡
慌ててやるよりもゆっくり時がくるまで待っとこうってなったところ､すぐにこのチャンスは舞い降りた！神様も仲良うなってほしいんやろな！
「どこが分からないんですか？」
「こっから〜､ここまで！全部わからん！！」
「おっと､じゃあゆっくり紐解いてみましょう｡まずは...」
ここでたくさん近づくためにわざと苦手分野全部を指さす｡
驚いてたっぽいけど､僕の隣に座ってゆっくり解説してくれとる！憐くんは自分のシャーペンとノートを使って､分かりやすく説明してくれるから僕も苦手だったのが嘘みたいにすらすら応用問題も解けた！
憐くんはすごいなぁ！僕らだけの先生や！！
「―――っていうことです｡わかりましたかね？」
「おん！めっっっちゃ分かりやすかったわ！」
それは良かったです､って口元に手をおいて微笑む憐くん｡お行儀ええなぁ...｡
正直ここでもう引いてもええんやけど､どうせならもうちょっと仲良うなっときたいから粘る！
「あっ！せや､憐くん｡」
「､ん？はい､どうしました？」
「僕､ほんまに今のとこ習得できたか知りたいから憐くんが問題作ってくれへん？」
「......へ？えっと､それは僕が､この範囲の問題を作る｡その問題を長尾さんに出すってことですか？」
「そうそう！なんやっけ...アウトプット？すれば､その分｡した人も身に付くんやろ！僕､憐くんに何か教えるなんてことできへんから､そんな感じで憐くんの勉強のお手伝いもしたいんよ｡
あ､もちろん無理やったらええで！教えてくれてありがとう！」
ちょっと強引すぎたかなって思って最後､付け足しはしたけど...憐くん､顎に手置いて黙ってしもた｡
やっぱりまだ早かったかなぁ？焦りすぎたんかなぁ？
どないしよ､みっちーも心配そうにこっち見とる｡大橋くん達も話すんやめてチラチラ見てきとる｡
「...ごめんなさい｡」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
