A.ー ページ26
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「大橋？大丈夫か？」
「ぅえっ！？な､なに！？丈くん｡」
丈くんの声が近くて､顔あげたら丈くんの顔がドアップで見えたからビックリした...今､練習中やったん忘れてた｡
憐くんとの接し方に考え込みすぎたな｡頭がパンクしそうなほど回転しとるから､休憩しよ｡
もう他の皆は端っこで水分補給とかしとる｡休憩時間なってすぐに声をかけてくれたおかげで､俺も結構休憩できそうや！
「丈くん､声かけてくれてありがとうな！」
「いや､あんなど真ん中でずっと突っ立っとるのは邪魔なだけや｡」
抱きしめようとすると嫌そうに手で頭を押してくる｡んわぁ〜､前が見えへん〜！
もぉ〜､やっぱ丈くんはツンデレやな！！
丈くんとのいちゃいちゃもほどほどに､休憩しようと自分の荷物がある方へ行く､とその後ろをみっちーがついてくる｡
なんやろぉって思ったけど､偶然行きたい方向が一緒ってだけやと思う
でも一応なんかあったらあかんから､水を持って皆からちょっと離れたとこに止まる｡
そうすれば､みっちーは声をかけてきた｡
「......あ､あの｡大橋くん｡」
「ん？どしたん､みっちー？」
どしたんやろ､めっちゃもじもじしとる｡やっぱなんかあったんかな？
「あ､の...その｡れ､憐くんのことなんですけど｡」
「おん､なんかあった？」
すごい言いづらそう...｡
もしかして憐くんからなんかされたとか？でも､あんなええ子が？いや､そうやって決めつけるんはちゃうな｡ちゃんと話聞かな！
なんもないのが一番やけど...｡
だからといって『憐くんになんかされたんかぁ』って直球に聞くんはみっちーが辛くなりそうやし､これはみっちーが話し出すまで待っといた方がええやろ｡
時計を確認すれば幸い､休憩時間はまだありそうやし！というか丈くんなんか俺らに近ない？
まぁええわ｡それよりも今はみっちー！
「みっちー｡ゆっくりでええよ｡急かさんから､気持ちの整理できたら話し？」
グッと肩に入れていた力をみっちーは抜いて､床の方を見る｡
なんか色々考えとるんかわからんけど､自分の服をギュって掴んだり､自分の手を握ったりと手がせわしなく動き続けとる｡
そこからしばらく時間が経って心構えができたんか､みっちーは勢いよく顔をあげ俺と目をあわせてきた｡
まぁ心構えができた言うても､手を強くぎゅっと握りしめとるし､目も不安そうに揺れとるからある程度覚悟しとかなあかんかもな｡俺も｡
みっちーは固く閉ざしていた口を開く｡
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作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
