A.ー ページ18
.
脱衣所で手を洗って､エプロンをつけていると大橋さんが降りてきた｡
「あ､槻...くんやっけ？今日は俺が作るわ！お仕事疲れたやろ？」
大橋さんに言われて､善意で言ってもらったしとキッチンを離れる｡大橋さんは任せろと言わんばかりの自信に満ち溢れてる表情でキッチンへ入ってった｡
大橋さんが料理を作っていれば､皆さんが徐々に降りてきた｡
料理してもらっている間､何もしないわけにもいかないので､手分けしながら全員が座れそうな大きさのテーブルを片付けていく｡
テーブルに置きっぱになってるノートと名前が書かれている紙を回収する｡ノートは正直書かれてなくても事務所に聞けばいいので､どちらでもいいが､紙の方は大きな四角の中に各々の名前が書かれているので大丈夫だと自室に置きに行く｡
リビングに戻ると匂いがしてきた｡皆さん､大橋さんの料理にお腹をならしている｡戻るときにちらっと覗けばお肉料理ということはわかった｡
お肉かぁ､あまり食べれないなぁ｡
そう思っているとテーブルの周りがなぜかわちゃわちゃしていた｡
気になってテーブルに近づくと､どうやら席を決めていたようだ｡楽しそうに笑いながら仲良さそうに席決めをしている皆さんを見守る｡
「ここ僕の席ぃ〜！」
「え！じゃあここは俺〜｡」
「んー､じゃあ俺は謙杜とみっちーの間〜｡」
「これは西畑たちも決める感じやなwじゃあここ！」
「僕はその隣にしよかな｡」
「おおにっちゃん...！」
「丈くん達はどこにします〜？」
「おおにっちゃん...」
「えぇ〜？僕はキッチンに近い方がええかなぁ？」
「残りの席は道枝と大橋の隣か...それなら大橋の隣やな｡」
見守っていると､狙っていた大橋さんの隣は藤原さんに取られたので､俺は大人しく余ってる席に座ろう｡
「ふふっ､皆さん仲良しなんですね｡じゃあ...道枝さん､お隣失礼しますね｡」
「...え？あ､うん｡どう､ぞ？」
一言話しかけてから､席について大橋さんのご飯を皆さんの話を聞きながら待つ｡
ここに来たときよりかは距離が縮まってるような...？結成したてだったし､距離縮めるのにあの紙とノートが役に立ったのかな？それならよかったかも｡
「できたで〜､運ぶん手伝ってぇ！」
「はぁい！」
8人分の料理を1人で運ぶのには時間がかかるし､大変だから全員で協力しながらおかずを運んだり､白ご飯を運んだりする｡何気に8人で初めての共同作業だな｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
