A.ー ページ17
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「やっぱボールも大好きな人の手元に行った方がいいでしょ？ボクはそう思う！」
夏さんがあまりにも胸を張って言うから､まぁそれならと流されてしまった｡それを聞いた月さんも『じゃあこれ長尾くんにあげて〜』と衣装についてまとめてある自分の本も渡すと言い出した｡それにもえさんも乗ってきたし...｡
面倒くさい｡
家に帰る前に夏さんの家と月さんの家､もえさんの家へ寄り､服1コーデとなにわ男子の皆さんが好きそうな物を紙袋にいれる｡
荷物が急に増えた自分の両腕を見る｡大荷物だし､と家の前まで送ってもらったので､それらを持って扉前まで行く｡
なにわ男子になんと思われるだろうか､引かれないといいなと願いながら扉を開ける｡
あまりにも静かだから誰もいないのかと思ったら､2階から突然大きな声が聞こえた｡驚いて2階を見上げれば､なにわ男子の皆さんがこちらを見ていた｡
皆さんの元気な声に釣られて､俺も大きな声でただいま､と返す｡
皆さんが下に降りてきたし､今この荷物を渡そうとリビングへ向かった｡
案の定､家を出たときより増えたこの荷物を不思議に思った藤原さんが指摘してくれた｡僕も皆さんへのプレゼントだと伝え､1人ずつ渡す｡
中を見た人が嬉しそうな声をあげていて､本当に好きなんだなと感心した｡
「大倉くんから話してもいいと言われていたので､皆さんとルームシェアをすることを今日仕事した人たちに伝えたら､これ皆さんに渡してと半ば無理やり押し付けられましてw
気に入ってもらえると嬉しいんですけど...」
何人かはそれをもらって嬉しいのか不安な物もあったから皆さんに質問したが､キラキラと子供のように目を輝かせており､杞憂だったなと一息つく｡
それぞれが好きそうな服の一コーデ分は月さんが選んだし､大丈夫だろうと心配していない｡
「こ､こんなすごいのもらってもええの？」
藤原さんが震える手でサインボールが入ってる透明な箱を持ちながら僕に聞いてくる｡
手､すごく震えてるし､好きなものってもらえると嬉しいんだな〜｡
「はい､そのボールをくれた本人も『やっぱボールも大好きな人の手元に行った方がいい！』って言ってましたよ｡」
嘘をつく必要はないから夏さんが言っていた言葉の一部を伝える｡全員納得したのか自室へ大切そうにプレゼントを持っていった｡
見た感じご飯食べてないっぽいし､作るか｡
脱衣所で手を洗って､エプロンをつけていると大橋さんが降りてきた｡
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作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
