A.ー ページ16
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手を振りながら､夏さんの所に向かう｡
今回の衣装も着替えるのが簡単そう｡簡単そうなのに夏さんらしさも出てて､本当すごい｡言わないけど｡
「この服のコンセプトは和服！日本！！襟元をボタンで前合わせ風に｡リストフォールを少し和チックに変えて､できる限り振りの部分を広めに作ったの｡帯の代わりに紐で腰辺りを縛って､軽く整えれば...ん！完成！！やっぱりアクセントで和柄いれたのは正解だったね！」
ズボンは過去に出した袴パンツ？を着る｡
色はどちらとも『
「うん､イメージぴったり！ポーズも系統に合わせて和風によろしく！」
「わかりました､何か思い付いたらその都度言ってください｡」
夏さんに伝えてから撮影ブースにいく｡
自分の辞書から和を連想できるポーズをいくつかだして､カメラの前に立つ｡
今回はトップスを注目させたいし､さっき言ってたこだわりポイントが見やすいようにポージング｡セットアップだと思われないように上半身に注意が向くことを意識｡
試行錯誤している間､夏さんが要望を伝えてくれるからそれに合わせて変えていく｡それを何十回も繰り返してやっと納得のいく写真を撮れた｡
あとは服のサイズ感とか同じ服の色違いを着て､イメージしやすいように撮るから､棒立ち｡
「オッケー､どっちの服も完璧｡」
あの後､夏さんの服を何着か着て撮影は終了｡
ちゃんと服のサイズ感がわかるかとかを確認して､やっと撤収作業に取りかかる｡
「あっ､そうだ｡ねぇ憐｡」
「ん？どうしました？」
俺が片付けるような物は何一つないから､もえさんや月さんたちの片付けを手伝ったり､ごみが落ちてないか確認したりしていると夏さんに声をかけられる｡
「んーや､なにわ男子さんの皆さんに合いそうな本とか色々あってさ｡買いすぎて使わないものとか｡それ貰ってってくんない？」
「え､俺はいいですけど､夏さんはいいんですか？」
「うん！確かに何個かはボクもいつか必要になるかもしれないけど､野球選手のサインボールとかその競技が好きな人にもらってもらう方がいいのかなぁって！
やっぱボールも大好きな人の手元に行った方がいいでしょ？ボクはそう思う！」
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作者名：雨水 | 作成日時：2023年3月27日 20時
