俺と詩音の日常。 (ページ2)

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やっとの帰宅。ページ2

いつものように遅刻ギリギリで出勤した俺は、気が気じゃなかった。早く仕事が終われと思いながらなんとか仕事をこなしていた。…が、こんな日に限って残業だったりする。自分の仕事は終わったのだが、ほかの部署の応援に回されたのだ。はぁ、なんで今日に限って。
「詩音に…会いたい。どういうわけか詩音の存在が感じられないし…」
　周りに聞かれないようにぼそっと独り言をつぶやきながら言われた仕事をこなす。あー、帰りたい。詩音ー！！！！
「がんばれ」と詩音の声が聞こえた気がした…が、たぶん気のせいだ。
　何とか二時間を乗り切り、いつも通りキャスをしながら帰る。だが上の空なため、いつも以上に話題がなく、今日はずっと歌ってばっかりだった。
　いつも通りキャスを終え、家に入る。詩音のことが気になって仕方がない俺は、飯を早食いして早々に部屋へと戻った。
「詩音…？」
　若干声を抑え気味に呼んでみる。すると押入れの戸が開いた。中から詩音が出てくる。
「馨、仕事お疲れ様ー。待ってたよ」
　朝と同じ柔らかいほほえみを返してくる。くぅ…っ好きだ。そう思ったら、なぜか自然と詩音を抱きしめていた。なんかあったかくて気持ちいい…って、頭を撫でるなっ！
「馨はほんと可愛いなぁ。ずーっと俺に会いたかったんだろう？」
　可愛くないから別に。とりあえず頭を撫でるな、眠くなるだろ馬鹿。
「ごめんごめん、つい可愛くて」
　ついって…あれ？俺今声に出してしゃべってない…詩音、聞こえるのか？
「あれ？そういえばそうだなー。てか、お前が仕事してる最中もずっと聞こえてたぞ、声」
　はぁぁぁぁ！？！？マジで！？うわ、何それ恥ずかしいんだけどちょっと待ってってことはさっき言ったのも全部…！？！？
「うん、俺が好きとかなんとか。会いたいとかなんとか。俺のことしか考えられないとかなんとか」
　最後のはたぶん言ってないぞ！
「まぁー、馨の考えは最初からダダ漏れだから今更だろ。そこもかわいくてよし」
　よし、じゃねぇよ！あと可愛くない。
「で？これからどうするよ」
　どうするって…どうしよう！？！？やばい、これからの事全然考えてなかった。さすがにここにずっといたらばれるよな！？うーーーーーん
「よし馨。紹介してくれ」
　突然の詩音の言葉に思考が停止する。…は？紹介？？？
「うん、家族に紹介して」
　………はぁぁぁぁ！？！？！？！？