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03. ページ33
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柳田A
そう名刺には書いてあった
たったそれだけしら知らない彼女に着いていってしまったのは
ちょっとした気分転換の道具でも見つけたような気になっていたからだろう
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A「少しだけお時間頂けますか？」
そう言って微笑んだ彼女に連れて来られたのは
さびれた雑居ビルの一室で
誰も来ないようなその場所に
若干の不安さえもよぎってしまってた
A「ここが一応事務所になってます。契約書の作成をしますので少しだけ座ってお待ちください。」
雅紀「……契約書？」
A「はい。こちらは慈善事業ではありませんので、当然ながら料金が発生致します。」
雅紀「あぁ、なるほど。」
A「出来高制となっておりますので、ご満足頂けない場合は……。」
雅紀「……はい。」
A「お支払い頂かなくても構いません。」
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彼女がテーブルにお茶をひとつ置いて
チラ…と俺を覗き見る
そのお茶を一口飲み込むと
簡素な契約書とボールペンを俺の前に置いた
.
支払っても支払わなくてもいいなんて
アバウトすぎだろって思わなくもない
慈善事業ではありません、なんて言ったって
ボランティアと変わんないでしょ、それ
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作者名：四葉（よつば）
作成日時：2014年5月3日 16時
