気まぐれボイジャー【豪炎寺修也】第八章 (ページ44)

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３１０話#　風呂上りの彼女ページ44

#家#

家に戻ると、Aはすぐにシャワーを浴びに行った。

雨で濡れた手足を軽く拭いて、ソファの席に戻る。

緑川「どうだったよ豪炎寺。雨の中のお散歩は」

修也「別に。なにもない」

ヒロト「Aちゃんビックリしてたでしょ」

修也「まあな」

緑川「残念だったな豪炎寺。今日のAのファッションはあのセクシー系じゃなかったな」

ヒロト「また次の機会だね」

再び３人で飲み直して、しばらくするとAがリビングに入ってきた。

ダボっとした大き目のＴシャツに半分隠れたショートパンツ。

首にはタオルをかけている。

部屋の照明が、半乾きの茶髪をつやめかせていた。

修也「...」

思わず生唾を飲み込んでしまった。

ここで風呂上りの姿を見るのはちょっと...

Aは何も気にせず冷蔵庫を開けて、水を飲み始めた。

すると緑川が声をかける。

緑川「おいA。お前も一杯やるかー？」

A「今日は眠いから寝るー。あとは君らで楽しんでー」

緑川「おうー！おやすみ」

A「おやすみ」

首にかかったタオルで軽く髪を拭きながら、Aはまた廊下へと出て行ってしまった。

とっさにヒロトと緑川が顔を覗き込んでくる。

修也「っ、何だよ」

緑川「ううん～なにも～」

ヒロト「ふふっ」

・

#家#

～Aside～

ベッドから起き上がりカーテンと窓を開けると、夏風が吹き込んできた。

昨日の雨が嘘みたいに晴れている。

寝巻きから部屋着に着替えて、部屋を出て階下に下りていく。

そのまま洗面台で顔を洗い、リビングの扉を開けると。

修也「zzz...」

ベッド用に広げられるソファを広げて、修也が眠っていた。

お腹の辺りまでタオルケットを被っている。

髪は下ろしいるから、きっとあれからシャワーを浴びたんだ。

A「...」

少し乱れているタオルケットをそっと直してあげて、あたしはキッチンへ向かった。

さて、今日の朝ご飯は何を作ろう。

時刻は９時半。

どうせ彼らは昼前まで起きてこないし、朝と昼一緒でいいかな。

A「暑いしさっぱりしたものがいいか...(ボソ)」

冷蔵庫からキュウリとハムを取り出して、あたしは食事の下ごしらえを始めた。