気まぐれボイジャー【豪炎寺修也】第八章 (ページ14)

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２８０話#　もし秘密がバレたらページ14

～Aside～

朝の９時を過ぎたというのに、部屋の中はどこか薄暗い。

それは外の嵐のせいだ。

そろそろヒロトと緑川が起きてくる頃。

朝ご飯作ってあげないと。

ノートパソコンの電源をオフにして、パソコン用メガネを外す。

ソファで眠っている修也の額に手を当てると、体温がやや下がった気がする。

立ち上がってキッチンへ行くと、夜中に修也のために使ったマグカップが流しに置いたままになっていた。

あんまり音を立てたら修也、起きちゃうよね。

インスタントのミートソースを温めて、バターで炒めたご飯と一緒にお皿に盛る。

上からチーズを振りかけてオーブンで１つずつ焼いていった。

そこで彼らが起きてくる。

ヒロト「おはようAちゃん」

緑川「おはよー、豪炎寺はどう？」

A「夜中に１回起きたから解熱剤飲ませた。あとでまた目が覚めたら熱計って薬飲ませるよ」

ヒロト「学校、休講になったよね？」

A「うん。バイトも休みになっちゃった」

緑川「この雨じゃあな」

A「ヒロトたちはバイト普通にあるでしょ？」

ヒロト「うん」

緑川「土曜だし、さすがに閉店はしないだろうな」

A「朝ご飯、もうできるから、待ってて」

朝ご飯のミートソースドリアを食べながら、ヒロトが聞いてくる。

ヒロト「Aちゃん、今日は一日中家にいるの？」

A「そうだね。この雨じゃ買い物にも行けないし、片付けたいノートもあるから」

緑川「じゃあ豪炎寺のこと、頼むぞ」

A「うん。熱は下がってくると思うけど、今日も泊めるつもりだから」

緑川「ああ、さんきゅ」

ヒロト「助かったね。Aちゃんが医学部で」

緑川「ほんと心強いよ」

A「...」

医学の道へ行くことを、ずっと秘密にしてきた。

それは修也のため。

もし今この秘密がバレたらどうなるんだろう...