２４３話# 彼女の目に映る自分 ページ16
下をうつむくAに目を向けてみる。
暗がりを抱えた瞳。
頬にかかる髪は、前よりかなり伸びた。
全体的に、明らかに痩せたな。
やっぱり栄都で大変な思いをしているのだろう。
そんな思いをしている彼女を避け続け、連絡もせず、放置して、自分のタイミングで別れを告げる。
俺はなんて嫌な奴なんだ。
自分が自分で嫌になってくる。
ふと、Aが口を開いた。
A「ねぇ...今日会うのって、さよならするため...だよね？」
鬼道「！」
目を合わさずに聞いてきたAに、俺は息を呑む。
鬼道「......ああ」
A「...だよね。ごめん、あたしのせいで鬼道にずっと苦しい思いさせて」
鬼道「...」
A「ほんとにごめん。全部あたしが悪いの。鬼道はずっとあたしに優しくしてくれてたのに、気持ちに応えられなくて...自分勝手で、ほんとにごめんなさい」
何で、俺はこいつに謝らせているんだ...
A「鬼道のおかげで栄都に合格できた。この恩は一生忘れないから」
鬼道「A...」
A「ごめんね」
謝りたいのは俺だ。
ただ...必死で謝ってくるAに俺が謝り返すのは、なんだか違う気がする。
A「あたしは１人で強くなるよ。鬼道がいなくても、頑張れる」
鬼道「...そうか」
A「うん...じゃあ」
鬼道「待て」
ロッカールームを出て行こうとしたAの左腕を、立ち上がって掴む。
A「！」
伝えたい言葉は「ごめん」。
だけど、今Aに伝えたい気持ちは「ごめん」じゃない。
鬼道「ありがとうな、今まで」
A「っ！？」
鬼道「俺はお前の味方だ。それだけは忘れるな」
A「鬼道...」
A。
俺は、お前の目にどう映っているんだ？
ちゃんと、１人の人間として見てくれているか？
掴んだAの腕をそっと放し、手を挙げる。
鬼道「じゃあな、A。元気でな」
A「うん...じゃあね」
少しだけ微笑んで、Aはロッカールームから出て行った。
再び俺はベンチにたたずむ。
...ごめん、A。
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ななっち(プロフ) - アマネさん» いえいえ全然です！こちらこそわざわざありがとうございます！！はい、またよろしくお願いしますね＾＾ (2018年2月14日 23時) (
レス) id: 5b85f290d9 (このIDを非表示/違反報告)
アマネ - ななっちさん» わああ、そこまでさせてしまってすみません（汗）でもどちらのバージョンも素敵です！一足早いですが続編おめでとうございます、これからも影ながら応援させていただきます(^^) (2018年2月14日 23時) (レス) id: 6367bb81f0 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - Vermut（元ソラノです）さん» わーありがとうございます〜！！！！頑張って書きました！感動できたようでいろいろ伝わったみたいで私もめっちゃ嬉しいです＾＾ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 5b85f290d9 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut（元ソラノです） - きゃぁぁぁぁぉぁぁぁあ!!!!ってなりました！(泣)まだ終わってないのに泣けてきました(T ^ T)やっぱり何度見ても最高ですね！！これからも応援しています！！ (2018年2月12日 22時) (レス) id: d3f0b80636 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - アマネさん» ゴロっと変えてしまいました笑 ほんとにありがとうございます！！これからもよろしくお願いします＾＾ (2018年2月11日 22時) (レス) id: 5b85f290d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななっち
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trhthe/
作成日時：2018年2月3日 20時
