１０６話# サッカーを辞める ページ33
#豪炎寺宅・外#
あくる日、虎の屋の作業を終えて、あたしは家路へと着いていた。
家路って言っても豪炎寺家のだけどね。
あたしが手伝いに行くようになってからも、虎丸は毎日練習が終わった後に帰ってくる。
そして入れ替わってあたしが帰宅するのだった。
そんな今日も虎丸にバトンタッチして夜道を歩き、豪炎寺家のマンションの下に着いた時だった。
A「あ、修也！」
修也「？」
見覚えのあるシルエットがマンションから出てきたので、思わず呼び止める。
修也は目の前にあたしが現れたことには、あまり驚かない。
ただ、顔色はかなり浮かなかった。
修也「お疲れ。今帰りか」
A「うん、修也もお疲れ」
手ぶらでマンションから出てきた理由は何だ。
はっ！もしかして！
次の瞬間、右肩に何かが置かれた。
修也の頭だ。
右腕も修也の手で掴まれた。すごく弱い力で。
力なく、あたしの肩にもたれてくる修也。
そんな彼を見たことがなくて、あたしの心臓はドクンと動いた。
同時に、あたしは悟る。
A「...先生に言われたんだね。早く辞めろって」
あたしが解決法を見つけられないせいで、先生が待ちきれなくなったんだ。
修也「......サッカーは、人に希望を与えるスポーツだ」
A「...うん」
修也「......でも、サッカーは人の命までは救えない」
A「...」
修也「...俺には医者のＤＮＡが流れていて、俺は医者以外の職業に就くことを許されない」
そうだね。それが、豪炎寺先生の想いだ。
あたしの肩に置かれた修也の頭に、手を伸ばす。
それに触れようとしたとたん、彼はあたしから離れた。
修也「...父さんの、言うとおりなんだ。逆らえない」
A「修也...本当に日本代表を辞めてドイツへ行く気？」
修也「ドイツの新学期は９月から始まる。それまでにドイツの学校の転入手続きを終えないと。そして大学に入るまではドイツ語を習得しながら理系の勉強をするんだ」
やめてよ、そんな現実的な話。
そんなあたしの悲壮な想いも届かず、彼はついに一番言ってほしくないことを口にした。
修也「...俺は、サッカーを辞めるよ」
A「...」
修也があたしから背を向けて、遠ざかっていく。
あたしは、何も言うことができなかった。
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ななっち(プロフ) - かなさん» わーーとても嬉しいです！！長い間ありがとうございます！！もっと面白く書けるように頑張ります！＾＾ (2017年8月20日 15時) (
レス) id: 5b85f290d9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - ななっちさんの作品、昔から読んでいています！また復活してくれてとても嬉しいです！私も作品書いているのですが、ななっちさんみたくなれるようにがんばりたいです！応援してます！ (2017年8月20日 10時) (レス) id: e5a68393f3 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - みるくてぃ☆さん» いえいえーまた読みに行くね♪ (2017年8月20日 0時) (レス) id: b79a46e22d (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ☆(プロフ) - ありがとう!!ちょっと自信が持てた笑 ななちゃんがそう言ってくれて嬉しい!頑張るね(*´ω`*)ほんとありがとう！ (2017年8月20日 0時) (レス) id: 363c42bf1d (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - みるくてぃ☆さん» 改善した方がいいとかは思わなかったよ〜色んな作者さんそれぞれの個性がある方がすきだし！なんか全体的にギャグっぽい所がすごく面白くて好き！あたしはギャグ得意じゃないから逆にすごいって思ったよ〜！ (2017年8月20日 0時) (レス) id: 5b85f290d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななっち
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trhthe/
作成日時：2017年8月11日 15時
