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勃【オキュロフィリア】※特殊性癖ネタにつき閲覧注意 ページ16

彼女はだいぶ狂っている。
 それに気が付いたのはつい最近の事だった。

「ねえ、一緒に帰ろ?」
 最初は本当に驚いた。
 え、俺? いやいや、まさか、ね。どうせ近くにいる眉毛の濃い生徒会長に言ってるんだろ? あぁはいはい、俺は邪魔者だからさっさと家に帰るわー。
「え、ちょっと待ってよ!」
 彼女にガッと肩を掴まれる。うわ本当に俺だったのか。
「え、あ、じゃあ……一緒に帰る?」
 何でだよ俺。いくら人見知りが激しいからと言って、これじゃあまるで、俺とこの子が付き合ってるみたいな……。
 そう思い彼女の方をチラっと見る。目が合うと、可愛く笑い返してくれた。
 まぁ、悪くはない、かな。
 なんて馬鹿な事を考えつつ、結局毎日のように誘われて、その度に一緒に帰ったのだった。

「綺麗……」
 彼女はたまに、俺の顔を見ながらぽつりとそう呟く事があった。
「えっ、あ、そう?そうなんだわ?」
 俺が慌てて返事をすると、彼女は照れくさそうに笑う。
「えへへ、つい見とれちゃってた」
 そんな彼女が愛おしく思えてきて
「ふふん、穴が開くほど見つめていいんだわ」
とつい調子に乗ってしまう。
「穴が開くほど……」
 彼女は幸せそうに微笑みながら、俺の顔をじっと見つめた。
 そんな時間が好きだったのは否定出来ない。俺はきっと知らずのうちに彼女の事が好きになっていたのだろう。

「一緒に帰ろ?」
 今日も彼女は俺を誘う。勿論、と頷いて俺達は学校を出た。
 今日は曇り。少し気分は憂鬱になる。
 そんな空の下、俺と彼女はいつも通りの下校をする……はずだった。
「あのさ、ちょっとこっち来てくれない?」
 彼女にそう言われて、俺は何の疑いもなく彼女の後を付いて行く。
 着いたのは人気の無い公園。彼女は俺にベンチに座るよう促した。俺がベンチに座れば、彼女は俺の正面に立つ。
 そして、
「やっぱり綺麗」
と呟くのだった。
 さっぱり訳が分からず困惑する俺に、彼女は可愛く笑ってゆっくり俺に近づいてくる。
 顔が近くなる。鼓動が早くなる。
 え、嘘だろ、待て、心の準備が__!

「好きだから、頂戴?」
 そう言って彼女は目を瞑った俺の瞼にキスをした。
 ……は? どういう事?
「その瞳を、私に頂戴?」
 彼女は俺を見つめて、確かにそう言った。

 その時、俺は理解した。
 彼女は俺が好きなんじゃない。

 彼女が「綺麗」と言ったのは、俺じゃなくて俺の__


『オキュロフィリア(眼球愛好者)』

味音痴【兄という壁】*ユイ様のリクエスト→←葡【嫌い嫌いも好きのうち?】


ラッキーアイテム

ビール

この作品の考察のヒントや小ネタを担当キャラが言ってくれるそうですよ

露(蛇)「緑色の目をした怪物。シェイクスピアの『オセロ』に出てくる嫉妬の怪物だよ。無意識のうちに僕はまだ彼女のことが諦められないでいたのかなぁ……」


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桜 水樹 - (バレンタインの話)プーよ…なんて不憫な…wwてかアーサーすげぇなおい!!ちょっとそのチョコわけろよ!!ww (2017年5月22日 0時) (レス) id: 0aefdd481f (このIDを非表示/違反報告)
黒閖(プロフ) - いえいえ、と言うよりも先進有難いです!!、 毎日ちら見しに参りますね!!(笑) (2016年8月15日 23時) (レス) id: 9214fadac6 (このIDを非表示/違反報告)
ほたてろいど(プロフ) - 黒閖さん» コメントありがとうございます! お褒めの言葉を頂き嬉しく思います。これからも精進してまいります! (2016年8月15日 23時) (レス) id: aa355565b4 (このIDを非表示/違反報告)
黒閖(プロフ) - 意味深な終わり方や表現の仕方に色んな意味で心臓がバクバクしたり、ぞく . とします。 この作品は迚も最高です! 、ほろ苦さを感じる系のものも良いですね!、応援してます、頑張って下さい!、 (2016年8月15日 23時) (レス) id: 9214fadac6 (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - ほたてろいどさん» こんなに早く書いて下さってありがとうございます!!もう素晴らしすぎて興奮が収まりません…!本当にありがとうございました!! (2016年7月22日 11時) (レス) id: fe9fcb5e70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほたてろいど | 作成日時:2015年10月12日 20時

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