懸想文を君へ (ページ2)

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「で、今日はどんなイタズラしようとしてんの？」

そう問いかけると、目を見開いてあからさまに動揺する。

リアクションが昭和過ぎるわ、と突っ込みたい所だが、それは心の奥底にしまっておく事にしよう。

『なんでバレてんの～、今回ばかりはバレへん自信あったんに！』

頬を膨らませて拗ねる彼の姿は、きっと周りの女子からすれば可愛いのだろう。

確かに、ウザさMAXのあの性格を忘れれば可愛い………いや、目を瞑ったところでウザさが主張してくるため可愛いと思えない。

ここまで来ると末期だ。ウザ岡病だ。

「拗ねられても知りません。ちょっかいは好きな人にかけて、って何回言ったら分かるの。朝からはマジでキツイ、せめて酔った時にして。」

『なんでそんな冷たいん！酷いやん！俺らの仲やのに！』

隣でギャーギャー騒ぎ始める。そろそろマジでうるさい。

満員電車のため沢山の人達が私と彼を見てクスクス笑われてしまう。恥ずかしいことこの上ない。

「私たちの仲だから尚更でしょ。しげのことほんとに好きだから嫌いになりたくないの、だからお願い。」

そう言った途端、彼はいきなり大人しくなって頭を軽く掻き毟った。

長い前髪が邪魔で顔は良く見えないが、髪の隙間から見える小ぶりで白い耳は真っ赤に染まっている。

『ほんまズルいわ…』

ボソッと彼がそんな事を呟いていたなんて、イヤホンを付けて音楽を聴き始めていた私が知るはずが無かった。

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