2人の未来へ 2【TH】 (ページ5)

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韓国での打ち合わせが終わり
テヒョンさんが1階のフロアまで
私を送ってくれることになった。

突然、一緒に写真を撮りたいと言われて
少し驚いたけど、
沢山みた彼らの動画で
テヒョンさんは人と距離を縮めるのが得意な人と
知っていたから
これが普段のテヒョンさんなんだろう、
そう思って一緒に写真を撮った。

テヒョンさんに涙ぼくろがあるのを発見し、
私も同じだから
少し嬉しくなって
見つけたことを伝えると

テヒョンさんが私の耳、目元、頬に触れた。

彼の細くて長い綺麗な指が
私の顔をなぞっていく

ドキドキして動けなくなっていると
彼の目の中の自分と目が合う

どうしていいかわからなくって
固まってしまった。

すぐにテヒョンさんの手は離れたけど、
彼が触れたところから、
彼の手の感覚が抜けなくって
恥ずかしくなって

バタバタと挨拶をして
玄関へと1人向かった。

でも、思い出したの。
マフラーのこと。
プレゼントしてもらったマフラー。

もらってから、冬の間は欠かさずにつけていたの。

今はもう、そんな季節じゃないのに
クローゼットにしまえないまま。

最後にちゃんとお礼を言いたくて、
それに、もう一度彼の顔が見たくなって
振り返ったの。

「テヒョンさん、マフラー、ありがとうございました！冬の間ずっと使ってたんです。大切にしますね。そのっ…あの言い忘れてて…ほんとに、これで。」

もう、言い逃げに近いような感じだけど
そう伝えると彼からは意外な言葉が帰ってきた。

「Aさん！もっと、僕にAさんのこと教えて。日本に行くの、Aさんに会えるの、楽しみにしてますから。」

飛行機の時間まであまりないこともあり、
なんて返していいかもわからず
お辞儀だけして、別れた。

私、少しおかしいかもしれない。
テヒョンさんの言動にドキドキしてしまう。

彼らは世界的なアーティスト
私とは住む世界が違う

そう言い聞かせ

また仕事に集中する

彼らが日本に来るまであと1ヶ月

大丈夫。

私は誰にも迷惑なんてかけない。

アーティストの方をサポートするのが私の仕事。

彼らのために、全力を尽くすだけなの。