2人の未来へ 2【TH】 (ページ38)

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＊TH ページ38

Aさんといると心地よくて
時間が過ぎるのが早い
でも、少しだけ風冷たくなってきたのを肌に感じた時、終わりの時間がきたんだ。

「テヒョンさん、風冷たくなってきたので、そろそろ戻りましょうか。」

「そうだね。話せて楽しかったです。」
そう言って立ち上がると、
少しだけ、僕の浴衣がはだけてしてまった。
中にTシャツも着てるから全然平気なのに

「身体冷やさないでください」

そう言って、僕に近づき
浴衣の襟元などを器用に直し始めたんだ。

風と共に香る、君の匂い。
身長差があるから、君が浴衣を直すために
下を向いていると、
僕から見えるのは君のうなじ。

首元をこんなに近くで見たの初めてだ。

「はいっ、これで大丈夫ですよ。」

そう言い終わって僕を見た時、
僕は君の顔が見れなかった。

ずるいよ。
君をドキドキさせたいのに、

彼女は僕を翻弄する。

少しだけ息を吸って落ち着きを取り戻した僕、
いや取り戻せてなんかいなかった。

「ごめんなさい。少しだけ、寒くなってきたから。」

そう言って君を抱きしめた。

想像よりもっと小さく華奢な身体。
でもフワッと柔らかさがあって
浴衣を通して彼女の体温が伝わってくる。

このまま
2人だけでどこかへ行けたら
どれだけ幸せなんだろう。

また僕は、ヘヘッと笑って、誤魔化した。

「びっくりさせたよね？ごめんね。急に寒くなってきたよ。Aさんも、身体冷やさないでね。」

彼女の顔はあまり見れなかった。

反応が怖くて。

でも、後ろから
「テヒョンさん、あんまり驚かさないでください。私の心臓、落っこちそうです。」

なんて変なこと言う君。

怒ってはないのかな？

ほんの少し君を見ると
赤い顔を下に向け、
手で首元を仰いで、身体の熱を冷ますような仕草をしていた。

決めたはずなのに。
この気持ちはまた認めないって。

だって、認めたらもう溢れ出すんだ
溢れ出したら止まらない。

誰かに迷惑だってかけてしまうがしれない。

でも、僕の気持ちは決まった。

　

Aさんが好きだよ。
　