2人の未来へ 2【TH】 (ページ2)

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＊TH ページ2

少し早歩きで会議室へ向かう。

コンコンっとノックし
ドアを開けると

会いたかった
彼女がいた。

君の栗色の髪が夕日に照らされ、
いつもより明るく光っていた。

「間に合ったんだな(笑)こっちに座ってくれ、今個別の確認をしてるから」

マネージャーに言われ
僕らはAさんの向かい側の席へと座った。

彼女はぺこりと会釈し、
またあの笑顔を向ける。

正直、僕は打ち合わせの内容は
何も頭に入らなかった。

ただ、彼女を見ていたから

ベージュのシフォン素材のワンピース
胸元に光る小さなネックレス
いつもの時計
ペンを走らせる手
下を向くときに見える長い睫毛
右利き
控えめな小さなピアス
髪を耳にかける仕草
小さな唇
えくぼ

もっと、君を見ていたい

「、、、ン、テヒョン！！何か日本での滞在で気をつけて欲しいこととか要望はあるか？？Aさんが、メンバー全員に聞いてて、あとお前だけだよ。」

何も考えてなかった。
君がいればいい、なんてことは
言えるはずもなく

いつも海外生活で困っていることを伝えた。

「僕は……日本のお店で食事がしたいです。日本食好きだから。あと、夜遅くまでの仕事になるようなスケジュールは外してもらいたいです。海外だと、疲れが抜けにくいので。」

彼女は僕の言葉をノートにメモして、
一言「はい。」と微笑んだ。

細かい打ち合わせも終わり、
あとはメールや電話で
マネージャーとやりとりし、
スケジュールなどを確定させることになった。

「それじゃ、日本でお待ちしてますね。あと、これは、メンバーの方に。これは事務所の方で分けてください。」

紙袋をスタッフとナムジュンヒョンに渡し、
部屋から出て行こうとする彼女。

韓国には泊まらず、またすぐ飛行機で日本に戻るのだという。

……やっぱり、もっと一緒にいたい

「Aさん！！僕、下まで行きます。一緒に行きましょう！」

ヨンスマネージャーは、「テヒョンっ、ちょっと」なんて慌てて、
でも、僕はもう止まれないから

「エレベーターの前までだから。入り口まで行かないから大丈夫」

マネージャーにそう伝え、
彼女の手を取って、前に進んだ。
彼女は僕に手を引かれながら
メンバーやスタッフに会釈をして、
僕についてきてくれた。

ボタンを押し
エレベーターが来るのを待つ

「あっ、急に手を引いてすみません。」

パッと手を離す。

「エレベーター来ましたね。乗りましょう。」