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テヒョンとの関係に変化はなく、
ただ、変わらない日々を過ごしていた。
いつも通り職場に出勤すると、
人集りが出来てなんだか賑やかだった。
人が集まっている、その中心へと目を向ければ、
人集りの原因になっている人物と目が合った。
「A、元気にしてたか？」
片手を上げ、私の目を見て柔らかい笑顔で声をかけてくれたのは、"日向部長"だった。
彼は、日本から韓国支社へ出向してきていて、
昨年、日本の本社へと栄転という形で戻って行った人。
日向部長と会うのは久しぶりだけれど、
一緒に働いていた頃から変わらない、
暖かい雰囲気になんだか懐かしくなった。
「お久しぶりです。日向部長。」
そう、声を掛けてはみるものの、
若くして昇進し、爽やかな彼は、男女問わず人気で、
次から次へと沢山の人から声を掛けられている。
そんな状況も、一年前と変わらなくて、
思わずクスッと笑えてしまう。
新人だった頃、一から仕事を叩き込んで下さった人。
私や誰かがミスをしても、叱責するのではなく、
カバーしてくれて、周りが仕事をしやすい環境を作り、それを業績へと繋げていくような、尊敬する人。
自分のデスクに戻ってしばらくすると、
肩をポンっと誰かに叩かれた。
「A、元気にしてたか？」
「日向部長っ」
「ハハっ、ホント久しぶりだ。やっぱり、Aの顔を見るとほっとするな。
靴…ちゃんと予備持ってきてるか？」
「もおっ、いつの話してるんですか？フフっ、あの時は本当にありがとうございました。あれから、会社には予備の靴を2足も置くようになりました。」
働いて一年目の時、営業で走り回って、ヒールが折れてしまった。
この時は予備の靴なんて置いていなくて、ヒールが折れたパンプスのまま帰っていたとき、
日向部長が、走って追いかけてきてくれて、
一緒にタクシーに乗ってデパートまで行ってくれて
靴をプレゼントしてくれたの。
これ以外にも、日向部長にはたくさん迷惑を掛けて
きたけど、こうやっていつも気にかけて下さるから、
本当に感謝しかない。
「ハハっ、それはいいことだ。もし、2足の靴がダメになったら、俺がまたプレゼントするよ。」
「フフっ。もう、迷惑はかけませんよ。今回は韓国で仕事ですか？」
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作者名：kerokero0114 | 作成日時：2021年5月22日 20時
