＊TH ページ46
TH side
「このイベントのこと聞いてないけど？」
久しぶりに寄った事務所のデスクに置いてあった資料になんとなく目が止まった。
普段ならデスク周りの資料には気にも留めないのに。
目に止まった資料は、Aの会社の創立記念イベントへの出演依頼とその企画書だった。
出演依頼は僕らに来ている。
それなのに、僕らは全く知らされていない内容だった。
近くにいたスタッフに確認すると、
依頼が来た当時は既に別なスケジュールが組まれていたので、かなり早い段階、つまり僕らに降りてくるだいぶ前の段階で断っていたことがわかった。
そして、その枠には僕らの後輩が出演することも。
このイベントか最後のチャンスかもしれないと思った。
急いでマネージャーや、メンバーの所に行きそのイベントに出演するためになんとかスケジュールを調整して欲しいことを懇願した。
「自分の我儘だってことわかってる。プライベートなことを持ち込んでいるのもわかってる。
それでも、Aに会えるかもしれないチャンスを逃したくないんです。
このイベントでAに会えるかどうかもわからない。
それでも、少しでもAのことを聞けるかもしれない。
お願いします！このイベントに出演させてください。」
ナムジュニヒョンがマネージャーに言った。
「マネージャー、イベントの日のスケジュール、少し後ろにずらしてもらえるように調整してもらえないかな？
僕は大事な弟のこんな頼みを聞いたら、断れないよ。それはみんなも同じだからさ。」
マネージャーも、ナムジュニヒョンに、メンバーに、僕に言ってくれた。
「わかったよ。イベントの件、こちらからAさんの会社に出演できるか聞いてみるよ。
あとは、後輩グループのマネージャーとも調整しておく。
ただ、イベントまでそんなに時間がないから、あちら側からいい返事がもらえるかはわからないぞ。
、
でも、頑張ってみるよ。
テヒョン、イベントの件、全然知らなくて伝えられなかった。悪かったな。
マネージャーがアイドルの恋の応援なんて変かもしれないけど、
テヒョンなりのケジメつけて欲しいと思ってるよ。」
「ヒョン、みんな…ありがとう」
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作者名：kerokero0114 | 作成日時：2021年5月22日 20時
