言えない、伝えたい TH (ページ43)

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「A、今日の夜空いてる？ミーティングも兼ねてご飯でも行くか。」

「はい、ご一緒します。」

日本に戻ってきてから、以前のように日向部長のもとで働く日々を送っている。

少し変わったのは、日向部長から想いを告げられたこと。

そして、2人で食事をしたり一緒に過ごす時間が増えていること。

日向部長から想いを告られたのは日本に戻ってすぐだった。

"Aを日本に呼んだのは、仕事のためだけじゃない。正直、俺はお前に惚れてるよ。"

"でも、Aにそんな風に見られてないことも、韓国に大切な人がいたことも知ってるから、今は返事はいらない。"

"ただ俺の気持ちは知っていて欲しい。あとは普通どおりに接して欲しい。もちろん、食事には誘うけどな"

"もう何年も片想いしてた。そんな相手が側にいて一緒に仕事ができるだけで、実は幸せに感じている。"

"少し俺との人生を考えてみて欲しい。返事はゆっくりでいいから、まぁ、つまり、俺としては付き合うことのその先も考える。まぁ、そういうことだ。"

まさか日向部長が私との将来を考えていたなんて知らなかった。
驚きと戸惑いもあった。
でも、素直に嬉しかった。

でも、私はその想いに応えられないと思った。
テヒョンという存在が私の心の大半を占めている状態だから。

このままじゃいけないと思って、部長に改めて自分の想いを伝えようとしたけど、言わせてもらえなかったの。

"前にも言ったけど、Aに忘れられない人がいたことは気付いてた。それでもいいんだ。"

"もし、Aがその忘れられない人と幸せになれるならそれでいい。その人じゃない俺でもない別な人を好きになってもいい。"

"ただ、そんな人が現れるまでは俺への返事は保留にして、俺のことをまだ考えて欲しいんだ。"

"少し気長に考えくれ。もちろん、そんな人が現れたらキッパリ振ってくれていい。俺もキッパリAのことは仕事上のパートナーとして割り切れる。"