言えない、伝えたい TH (ページ40)

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＊JK ページ40

コンコン

ノックが鳴った。

少し眠りかけていたこともあり、目を擦りながらドアを開ければ、そこにいたのはテヒョイヒョンだった。

ちょっといいか、そう言って僕の部屋に入ってきたヒョンはベッドに座った。

僕は作業用に置いていた椅子に座わり、
ヒョンの顔を見れないから目線は自分の足元に。

「ジョングク、さっきはごめんな。」

テヒョイヒョンは話し始めた。

「さっきは…いや、今まで俺は自分のことしか見えていなかったみたいだ。Aのことも、ジョングクのこともちゃんとわかっていなかった。

ごめん。

Aがいなくなったことに動揺したとしてもAを悪く言うなんて最低だった。

ジョングクの気持ちもわかった。

.

でも、俺は…
Aのことは渡せない。他の誰にも、ジョングクにも。

諦められないんだ。もう一度、もう一度Aに会って、もう一度好きになってもらいたい。」

.

テヒョイヒョンの言葉に反応して
僕が顔を上げると、ヒョンと目が合った。

この目は本気、そう思えた。
ヒョンはヌナを諦めていない。

「ヒョン、僕も酷いことを言ってごめん。
さっきはあんな風に言ったけど、僕はヒョンを応援するよ。さっきの言葉に嘘はないけれど、ヒョンがヌナを幸せにしてくれるのら、僕はそれが一番いい…と…おもっ…て…」

あれ。なんだ。さっき一人でちゃんと答えを出したはずなのに。
言葉にすると涙が出てくる。
なんの涙なのかわからない。
ヒョンに気づかれたくないのに、涙が止まらない。
止まってくれ、止まってくれ、
そう強く思って身体に力をいれ、固く目を閉じた。

　

その時僕は暖かい感触に包まれた。

「ジョングク、俺がこんなこと言うのおかしいかもしれないけど…

Aのこと好きだったんだよな。

無理しなくていいから。

俺は俺、ジョングクはジョングクでその気持ち大事にしよう。」

ヒョンの言葉が、僕の頭のすぐ側で聞こえた。
ヒョンの腕が僕の身体を優しく包んでいた。

「ヒョン、ありがとう。」

.

テヒョイヒョンの彼女であるAヌナを好きだなんて誰にも言えなかった。

言えないくせに、ヌナの弱みに漬け込んで
会いに行っていた。

後ろめたさがあるから、ずっと心に引っかかりがあった。

でも、今、それが無くなった。

気持ちがスッと軽くなったんだ。