言えない、伝えたい TH (ページ28)

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＊TH ページ28

「テヒョン…寝癖ついてるよ？フフっ」

「えっ？？あっ、うん、ほとんど寝起きで。」

「もう、ちゃんと身だしなみくらい整えて外に出なきゃ。相変わらず朝弱いんだから。」

そう言って、彼女はカバンの中から取り出した折り畳みのブラシで僕の髪の毛をサッと梳かし始める。

Aは怒っている様子もないし、あまりにも普通で僕の想い過ごしだったんだと思わせてくれるような彼女の言動に安堵したんだ。

僕よりも少し歳上の彼女は、
僕を沢山甘やかしてくれる。

それが心地いい。

今も、まるで彼女の部屋にいるような
彼女が一定のリズムで髪を櫛でとかす動きも心地よくて、一気に心が満たされていく。

「テヒョン、これから海外なんでしょ？」

「うん。」

「テヒョン、頑張ってるね。これからも、メンバーの皆んなや周りの人と一緒に頑張って、夢叶えなきゃね。」

「…うん。」

「フフっ、テヒョン、ホントカッコ良くなったね。」

「えっ？あっ、そうかな？」

「うん。どんどん大人っぽくなって、なんだか私の知らない人みたい。」

「えっ、僕は変わらないよ…」

「ううん、変わったわ。でも、変わらない所も沢山あったね…。公園で待ってくれてるなんて、驚いた。付き合う前を思い出すね。」

僕が変わった、変わらないなんて急に話し出すA。
よく意味がわからなかったけれど、
落ち着いていて、僕を見ているけど、どこか遠くを見ながら、なんだか自分に言い聞かせるような、
そんな風に見えた。