言えない、伝えたい TH (ページ23)

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「えっ？スア？！」

スアと呼ばれたのは、小柄で可愛らしい女性だった。

この人が、スアさん…

「テヒョン、撮影再開するよ？こんなところで何してるの？？」

「えっと…」

「テヒョンさん、引き止めてすみませんでした。うちの商品のお菓子をいつもご愛好いただいてありがとうございます。うちの商品のサンプルなので、食べてくださいね。」

テヒョンはやっぱり嘘なんてつけなくて、
思わず私が誤魔化すための適当な嘘をついて、
商品のお菓子をテヒョンに手渡した。

「テヒョン、早く行かないと！」

「あっ、うん。えっと、お菓子ありがと。」

そう言ってテヒョンは私から離れてスアさんの元へと行った。

スアさんは、テヒョンではなくて、私の目をジッと見ている。

その目を見ればすぐにわかった。
彼女の目はやっぱり、
テヒョンの事を好きだと訴えている目だった。

私は上手く誤魔化すことが出来ていただろうか。
彼女の目は全てを知っているようで少し怖かった。

テヒョンが私から離れて、スアさんの元へ行ったのは仕事のため。

そんな事わかっているのに、スアさんの元へ行くテヒョンの背中を見送るのが、とても辛かった。