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しかし、それが今回の騒動で露見してしまった。誰がどう見たって、Aのことを穢れた血と呼んだエリザベスに腹を立てているようにしか見えなかった。

もしも、これが彼の家族に伝わってしまったら?

彼のご両親は何も言わないかもしれないが、分家であるヒョンジンたちの立場が危うくなるに違いない。だって、ヒョンジンはそれを恐れてマグル学すら取ろうとしなかったのだ。

一緒にいることでヒョンジンの身を危険に晒すくらいなら私は身を引くべきなのではないだろうか。

それに…エリザベスは本気だった。本気で彼を好いている。ホリデー前から届かなくなっていたヒョンジンの紙のイタチを踏みつけていたのも恐らく彼女だろう。

Aは西の塔の階段を重い足取りで上りながらそう思った。寮の入り口に取り付けられた鷲のドアノッカーがAに向かって問題を投げかけたが、ごちゃごちゃとした頭には何も入ってこなかった。



その日の夜、Aが罰則を受けるために4階のトロフィールームへ向かうと、既に管理人のフィルチが待ち構えていた。そして、意外なことにその隣には私服に着替えたヒョンジンが立っている。猫背気味なフィルチの隣に立つと彼のスラリとした身長の高さが際立って見えた。

Aがフリットウィック先生から告げられた罰則はトロフィールームでフィルチと一緒にトロフィーを磨くことだったが、どうやらヒョンジンも同じ罰則を受けることになったらしい。



「よし、来たな。杖を出せ」



Aとヒョンジンは大人しくポケットから杖を取り出してフィルチに渡す。代わりに2人が受け取ったのは雑巾代わりの布切れだった。



「いいか、この中のトロフィーを磨くんだ。魔法なしでな」


ヒョンジンは隣に立つAと目を合わせると、何も言わずに1番手近にあった大して汚れてもいないトロフィーを磨き始める。Aも同じように彼の隣に座ってトロフィーに手をつけた。



夜の校内はとても静かだった。トロフィーを磨く音、ヒョンジンがセーターの袖をまくり上げる衣擦れの音、時折フィルチが口にする小言とか、聞こえてくるのはそれくらいのものだった。

30分以上経った頃だろうか、Aが次のトロフィーに手をかけた時、部屋の外から何かが割れるような酷い音とゲラゲラと笑う下品な声がこちらにまで響き渡った。それを聞いたフィルチは途端に青筋を浮かべ、ピーブスめ…と低く唸った。

・→←譲らぬ愛、重なる愛



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BB(プロフ) - マニ。さん» こんばんは。コメントありがとうございます🙇🏻‍♀️恐れ入りますが、当方ボードなどは利用しておりません。マシュマロを開放しておりますので、何かあればそちらにお願いします🙇🏻‍♀️ (2月22日 21時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - BBさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!ハリポタとか大好きなのでスキズも大好きです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💝 (2月22日 20時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
BB(プロフ) - えんさん» ありがとうございます🙇🏻‍♀️ (1月29日 5時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
えん(プロフ) - わあもうほんとに好きです、、😵‍💫😵‍💫😵‍💫スキズも好きだしハリポタも好きだしほんと私得すぎます💘💘 (1月25日 21時) (レス) @page11 id: 284b114cd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:BB | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年1月16日 4時

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