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「A顔も怪我してる」
「え、ほんと?気がつかなかった」
「あ…血が出てるから触らない方がいいよ」
確認のために自分の顔を触ろうとすると、心配そうに眉を寄せたヒョンジンがAの手を掴んで制止する。
足の痛みに気を取られて気がつかなかったが、確かに頬骨の辺りがひりつくような気がする。さっきのキャンプ場では誰かの靴や石なんかが蹴飛ばされていたし、転んだ時にでもぶつかって擦りむいたのだろう。
顔の傷も治そうかと思ったが、着の身着のまま出てきてしまったので鏡なんぞ持っているわけもなく、当てずっぽうに魔法をかけるのは少し躊躇われた。
「後で治すよ」
「でも…」
ヒョンジンは軽く唇を噛みながら何かを考えた後、ポケットから取り出した杖で優しく頬を撫でてエピスキーと唱えたのだ。
「…ごめん…やっぱり僕この呪文苦手だ、できる人に任せた方が良かったかも」
「でも、治してくれたんでしょう?ありがとう」
どうやら瘡蓋のような跡が残ってしまったらしく、ヒョンジンはAの頬を親指で撫でながら申し訳なさそうに謝ったが、治癒魔法が苦手であるにも関わらず、彼が私の怪我を治そうとしてくれただけで十分であった。
「ヒョンジンは怪我してない?」
「うん、僕は平気。昼間に会った友達は?一緒だったんじゃないの?」
「逃げる途中で逸れちゃったの。ヒョンジンこそご両親とかリノさんと一緒じゃなかったの?」
「僕も逸れた。2人はリノヒョンと一緒にいると思うけど」
「そう…探さなきゃね」
恐らく森の中にいるであろうお互いの連れを探すべく、Aたちは暗い森の中を歩き始めた。
ヒョンジンは一度立ち止まると、また逸れないようにとAの左手を握って再び歩き出す。
普段だったら恥ずかしさからすぐに手を離してしまうだろうけど、彼の手から伝わる体温はAに安心感を与え、不思議と手放そうとは思わなかった。
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ジャコ(プロフ) - 支配人Bさん» わざわざありがとうございます🙇♀️お手数をお掛けしてしまい申し訳ございません!💦マシュマロの方送らせて頂きましたが、文字数制限ぎりぎりまで書いてしまったのでお手隙の際にお読み頂ければ幸いです🙇♀️ (8月28日 23時) (レス) id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» 追記です!トップページの注意書きの下にマシュマロのリンクを用意しましたので、取り急ぎこちらから感想をお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» ありがとうございます!今Twitterのアカウント作成をしているのですが、何故か凍結されておりまして、数日したら開設できると思います!その際はこちらからお知らせします。もうしばしお待ちください🙇♀️ほんとにありがとうございます😭 (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - NTさん» ありがとうございます😭今日ハリポタツアー行ってきたので解像度爆上がりしてます!これからもよろしくお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問失礼致します🙇♀️ご迷惑でなければ長文での感想を送らせて頂きたいのですが、マシュマロやお題箱、Twitter(現X)、占ツクCOMMUのメッセージ等、作者様にとって最適なサイト等ございますか?💦もし迷惑でしたら大丈夫です! (8月27日 19時) (レス) @page29 id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
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