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「ごめん、ここ隣いいかな?」
「…あぁ、どうぞ」
自分の周りに人が寄らなくなり、1人で受ける授業にも慣れて来た頃、開始ギリギリに教室へ駆け込んできたグリフィンドールの生徒が隣に座った。
「いやぁ、友達と話してたらギリギリになっちゃってさ」
聞いてもいないのにそう話し続けてくる。彼は確か、バンとか言う生徒じゃなかったか。短髪の黒髪に、笑うと細まる垂れ目と笑窪が特徴的だった。
その日からリノの隣には必ず彼が座ってくるようになった。友人にも困らないような人がわざわざリノの隣に座ってくる。そして、いつもリノと会話をしようと試みるのだ。
「ミンホはさぁ、猫が好きなの?」
「なんで?」
「ローブに毛がついてる」
チャニはそう言ってローブについたグレーの毛を指で摘んだ。
「…飼ってる」
「わぁ、寮に連れて来てるの?僕は家で犬を飼ってるよ!連れて来たかったけど、ホグワーツに犬は連れて来れなかったからさ」
こうやって自ら自分のことを話すおかげで、バンチャンがどういった人間でどういったことが好きなのか、誰よりも詳しくなっている気がした。それに、こちらが答えないと、しれっと聞き方を変えて同じような質問をしてくるので厄介だった。
そして、リノをクディッチに誘ったのもバンチャンだった。リノが1年の飛行訓練で一発で箒を上げたのを見ていたらしい。絶対に良い選手になるからと言って譲らなかった。
始めたところで結局別のチームなるのに、やるわけないと思ったが、ミンホと試合がしてみたいと言われたらそれまでだった。
結局、魔法使いの血、もしくはマグルの血が入っていると知っても離れていかなかったのは、両親とあの時拾った猫、いつの間にかリノと呼ぶようになった数少ない友人であるバンチャン、何があったかなんて微塵も知らない後輩のヒョンジンくらいだった。
人があまり通らない廊下で、ヒョンジンとあのマグル生まれの女子生徒が仲睦まじそうに何か話している。
ああやってただ純粋に人を好きになることができるヒョンジンが少し羨ましかった。
でも、俺はその先に何が待っているのかを知っているから。
こんなところまでひとりでやって来た気まぐれな猫を抱き上げ、音も立てずにその場を立ち去った。
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早くもたくさんの感想をありがとうございます。全て読ませていただいております。Twitterを開設しましたら、そちらで全て返信させていただきます。
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ジャコ(プロフ) - 支配人Bさん» わざわざありがとうございます🙇♀️お手数をお掛けしてしまい申し訳ございません!💦マシュマロの方送らせて頂きましたが、文字数制限ぎりぎりまで書いてしまったのでお手隙の際にお読み頂ければ幸いです🙇♀️ (8月28日 23時) (レス) id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» 追記です!トップページの注意書きの下にマシュマロのリンクを用意しましたので、取り急ぎこちらから感想をお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» ありがとうございます!今Twitterのアカウント作成をしているのですが、何故か凍結されておりまして、数日したら開設できると思います!その際はこちらからお知らせします。もうしばしお待ちください🙇♀️ほんとにありがとうございます😭 (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - NTさん» ありがとうございます😭今日ハリポタツアー行ってきたので解像度爆上がりしてます!これからもよろしくお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問失礼致します🙇♀️ご迷惑でなければ長文での感想を送らせて頂きたいのですが、マシュマロやお題箱、Twitter(現X)、占ツクCOMMUのメッセージ等、作者様にとって最適なサイト等ございますか?💦もし迷惑でしたら大丈夫です! (8月27日 19時) (レス) @page29 id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
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