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「聴いてみる?」
彼女は耳につけていたヘッドフォンというらしい物をこちらへ差し出した。
同じ寮のヨンボクとまではいかないが、初対面の人間にこうやって話しかけられるなんて、この子はかなり社交的らしい。
自分とは正反対の彼女に少し物怖じしたが、そのヘッドフォンが気になって仕方なかった。
「…いいの?」
「うん、今聴いてる曲お気に入りなんだ」
ゆっくりと彼女の隣に座ってヘッドフォンを受け取る。見様見真似でヘッドフォンを耳につけたその瞬間、脳に電流が走ったようだった。
妖女シスターズのロック音楽とも、母親が好んで聴いているセレスティナ・ワーベックの歌声とも違う。
爽やかなアコースティックギターに乗せられた透明感のある男性の歌声。ハンは一瞬で虜になった。
目を丸くしたハンの隣で、彼女は素敵でしょう?と得意げな表情を浮かべている。
これがハンとマグルの音楽、もといハンとAの出会いだった。
自分自身全く気がついていなかったのだが、Aはよく授業が被っていたらしい。次の日の魔法薬学で声をかけられた時は驚いたものだ。
そのうち、ハンたちは席が隣だったフィリックスやレイブンクローのスンミンの4人で一緒に過ごすようになった。彼女の社交的な性格のおかげだろう。自分一人だったらきっと孤立していたに違いない。
それから、Aは月に一度父親からカセットテープが送られてくるらしく、その度に曲を聴かせてくれた。湖畔や城の中庭、時には大広間でフィリックス達と4人で聞くこともあった。あーだ、こーだと感想を言い合う時間がなによりも大切な時間になっていた。
そして、その年のクリスマスに彼女はカセットプレイヤーと彼女がセレクトしたカセットテープをプレゼントしてくれたのだ。もちろん湖で聴いたあの曲も入っている。
彼女のミミズクが俺の部屋に包みを届けてくれた日から、それはかけがえのない宝物になった。
肌身離さず持ち歩いていたし、暇さえあればずっと曲を再生していた。煙突飛行ネットワークを使う時はどこかの暖炉に落としそうだったから流石に置いていったけど。
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ジャコ(プロフ) - 支配人Bさん» わざわざありがとうございます🙇♀️お手数をお掛けしてしまい申し訳ございません!💦マシュマロの方送らせて頂きましたが、文字数制限ぎりぎりまで書いてしまったのでお手隙の際にお読み頂ければ幸いです🙇♀️ (8月28日 23時) (レス) id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» 追記です!トップページの注意書きの下にマシュマロのリンクを用意しましたので、取り急ぎこちらから感想をお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» ありがとうございます!今Twitterのアカウント作成をしているのですが、何故か凍結されておりまして、数日したら開設できると思います!その際はこちらからお知らせします。もうしばしお待ちください🙇♀️ほんとにありがとうございます😭 (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - NTさん» ありがとうございます😭今日ハリポタツアー行ってきたので解像度爆上がりしてます!これからもよろしくお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問失礼致します🙇♀️ご迷惑でなければ長文での感想を送らせて頂きたいのですが、マシュマロやお題箱、Twitter(現X)、占ツクCOMMUのメッセージ等、作者様にとって最適なサイト等ございますか?💦もし迷惑でしたら大丈夫です! (8月27日 19時) (レス) @page29 id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
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