カセットテープ ページ12
HN side
ハンとAが仲良くなったのは入学して間もない頃だった。
組み分け帽子によってハッフルパフに振り分けられてから約一ヶ月。慣れない寮生活で心身ともに疲弊していたハンは、どうにか一人になりたくて人がいない場所を探し歩いていた。
城の中庭には上級生のカップルがいるし、廊下にも生徒が溢れている。図書室は静かだけど人がたくさんいるし、寮の部屋なんて相部屋なので論外だ。
そうしてやっと湖なら人がいないのではと思い立ち足を運んだのだった。
湖は静かで水の音が心地よく、ヒーリングになりそうだと思ったが、生憎先約がいた。
黒い髪が肩ほどまで伸びているレイブンクローの女の子だ。
その子は木の幹に背を預け、何かよくわからない物を耳につけて目を瞑っていた。その傍には本が置いてあって、先ほどまで読んでいたような形跡がある。
ここもダメかと引き返そうとした時、ふとその子が目を開けてハンを捉えた。
「あ、」
彼女は数回瞬きをすると耳につけていた物を外して、ごめんなさい、ここ使うの?と声をかけてきた。
こんなにもたくさん木があるんだからそんなわけないのに、おかしなことを言う子だと思った。
そして、その子が耳につけていた物から何か音楽のような音が聞こえてくることに気がついた。
「…それ何つけてるの」
「これ?ヘッドフォンだよ」
「ヘッドフォン?」
「あ、そっか…魔法使いの世界にはないのか」
その言葉から察するに、彼女はマグル生まれなんだろう。両親とも魔法使いで、生まれてからずっと魔法界で生活してきた自分にとって、彼女のようなマグルは遠い存在だった。
「何をする物なの?」
「この機械にカセットテープを入れて、このヘッドフォンから音楽を聴くの」
「へぇ」
「お父さんがこういうの好きで、寮生活で寂しくなった時は聴きなさいって持たせてくれたんだ」
それじゃあ、今こうやってひとりで音楽を聴いているってことは彼女も自分と同じように家が恋しいのだろうか。
周りの友人たちがあまりにも学校生活を楽しんでいるものだから、ホームシックになっているのは自分だけなのだと思っていた。
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ジャコ(プロフ) - 支配人Bさん» わざわざありがとうございます🙇♀️お手数をお掛けしてしまい申し訳ございません!💦マシュマロの方送らせて頂きましたが、文字数制限ぎりぎりまで書いてしまったのでお手隙の際にお読み頂ければ幸いです🙇♀️ (8月28日 23時) (レス) id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» 追記です!トップページの注意書きの下にマシュマロのリンクを用意しましたので、取り急ぎこちらから感想をお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ジャコさん» ありがとうございます!今Twitterのアカウント作成をしているのですが、何故か凍結されておりまして、数日したら開設できると思います!その際はこちらからお知らせします。もうしばしお待ちください🙇♀️ほんとにありがとうございます😭 (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - NTさん» ありがとうございます😭今日ハリポタツアー行ってきたので解像度爆上がりしてます!これからもよろしくお願いします! (8月27日 22時) (レス) id: cf4a94678c (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問失礼致します🙇♀️ご迷惑でなければ長文での感想を送らせて頂きたいのですが、マシュマロやお題箱、Twitter(現X)、占ツクCOMMUのメッセージ等、作者様にとって最適なサイト等ございますか?💦もし迷惑でしたら大丈夫です! (8月27日 19時) (レス) @page29 id: 250cf595b1 (このIDを非表示/違反報告)
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