【d!】曇り空に敬礼を【軍パロ】 (ページ40)

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『なんとかなったね』
ci「何が良い旅やねん。こんな格好させられて良い旅なんてできるわけないやろ」
『本当はオスマンでもよかったんだけどね』
ht「チーノ似合ってるよ」
ci「嬉しくないねん」

ウィッグをつけ女の格好をしたチーノがそう文句を言った。こうして三人でこの国を訪れることになったのかは少しずつ説明しよう。

まずは信憑性のある偽造パスポートを作るところから始まる。それに関しては大先生が大活躍してくれた。

ut「俺な、知り合いの女の子にパスポートセンターで働いてる子おんねん」

彼がすこーし可愛がってあげたらしく、他のパスポートよりも優先して発行してくれた。どうやって可愛がったか話したそうだったけど、きっぱりお断りした。

そして、都合の良いことに大和国に情報は渡っていないためひとらんが機密情報を手に入れたという趣旨のメールを内通者が使っていた端末から大和国に送信。

その機密情報ってのもロボロが作った紛い物。何年も前に我々国が滅ぼした国の情報をうちの情報に重ね合わせただけで、我々国の情報はひとつも入ってない。

そして、私たちはその偽の情報を持って大和国へやってきたというわけだ。

ci「てか、税関のやつらは女の姿見てもええんか？」
ht「多分退役軍人じゃないかな。きっと金がなくて清められなかったんだと思う。清めるにも大金が必要でさ。そういう人はこういう仕事につくんだよ。まぁ、そんなに給料が良いわけじゃないけど」
『貧富の差が広がるのもこのせいでしょうね』

私たちが港を出ると二台の車が止まっていた。

「やぁ、ひとらんらんくん。長旅で疲れただろう」
ht「お久しぶりです、外交官殿。急な人数変更に対応していただいありがとうございます」
「手紙が来たときは驚いたがね、それくらい構わんよ」

ひとらんは外交官に連れられ先頭の車に。私とチーノは後ろに続く車に乗せられた。