【d!】曇り空に敬礼を【軍パロ】 (ページ33)

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ロボロの放った矢が彼の左腕に刺さったが、彼は止まりそうにもなかった。私の声にも反応することなく彼は監視室を出て行った。

体を起こし、ロボロと共に急いで監視室を出るとひとらんが長い廊下を走っていく様子が目に入る。

ロボロと私が再び彼に照準を合わせた時、ダクトからゾムが飛び出しひとらんに殴りかかった。

不意打ちだったのかその拳はしっかりとひとらんの鳩尾に入っていて、彼はその場にズルズルと倒れ込み気を失った。

zm「あっぶねぇ」

ゾムでも勝てない、と言ったがそれは〈強さだけを切り取って見れば〉の話だ。

立ち回り、戦略、判断力、それら全てを含めて考えれば圧倒的にゾムの方が強い。

zm「ロボロ、トントンとグルッペンに連絡。それから警備兵数人呼んでこい」

周りがバタバタとする中、私はただひとり立ち尽くしていた。未だに彼の行動が信じられなかった。

zm「あとA、なんか拘束するもん持って…A？どうしたん」
『っ、…ごめん、ちょっと混乱してて』
zm「みんな同じや。まず落ち着くためにも拘束するもん持ってきて」

気絶したひとらんの腕を抑えるゾムにコクリと頷き、監視室に備え付けられた緊急用ロープを持ち出す。

すぐにゾムのもとへ持って行き、彼がひとらんの手を縛っていくのを手伝う。

コツコツと足音がして、黒い革靴が私の視界に入る。ハッとして顔を上げればそこには難しそうな顔をした彼がいた。

gr「これはまた面倒なことになったな」
『グルッペン、』

******

ひとらんが目を覚ましたと連絡が入ったのはその日の夜遅くだった。

パンプスのヒールが鳴らす音が地下牢に響く。そこには既にグルッペン、トントン、ゾムの三人が揃っていた。