【d!】曇り空に敬礼を【軍パロ】 (ページ25)

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そして、出産や月経で血が流れ出る女を穢れの象徴としている。

怪我をして血を流した人間も例外ではなく、男の場合清めなければ同じように穢れとして扱われた。

そのため、男児が産まれると綺麗に血を洗い流して清めを行う。

そして未婚の男性、つまり性行為を行なっていない男性が世話をするようになっていた。というのも、性行為の際に血が流れるというのが理由のようだが。

実際、俺も見ず知らずの男に育てられた。俺が子供の時は古いしきたりがまだ残っていた時代で、女は顔を布で隠し、簾越しにしか話すことしかできなかった。

しきたりが薄れてきた今は布や簾がなくても話せるようだが、やはり触れ合うことはできないらしい。

結婚も政府に届け出を出し、認められたものしか許可されない。もちろん駆け落ちなんてしようものなら首が飛ぶ。

そんなしきたりのおかげで今でも彼らの社会の中心に女はいない。そして、いつでも女を見下していた。

ht「それに加えて上下関係も厳しくてさ。だからこの会談、結構辛いと思う。特にAは」
『別に私は大丈夫だよ。未だに女が弱いと思ってる国だって多い。…慣れっこだよ』

ふ、と笑った彼女に何も言えなかった。俺は、あの二人も彼女の心でさえ守ることができないのか。

椅子に立てかけた刀を思わず握りしめる。それはそれは弱々しく感じた。

os「…俺はひとらんがあの国で何を見てきたのか知らんけどさ、今おるのはこの国なんやから。それにひとらんは女性にそないなことせぇへんやろ？」
ht「、そうだね。ありがとうオスマン」

******

午後になって会談が始まった。俺は護衛として座るオスマンの後ろに立つ。同じように大和の護衛兵も立った。

Aはああやって言っていたけど、オスマンが心配だからと仕事をお茶汲みだけにした。