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無能と喧嘩 ページ41

見てしまった。嫌でも目に入った。
Aちゃんがコネシマに抱き抱えられているのを。
ショーウィンドウの並ぶ街中であの2人はやけに目立って見えた。

ut「なんやねん、ほんま」

どうしようもない気持ちにかられ、家に帰ってゴミ箱を蹴り飛ばす。
Aちゃんのボツになった絵が散らばる。それにすら今はムカついて仕方なかった。

『ただいま』
ut「なぁ、今日なにしとったん」
『え、買い物だけど』
ut「男と、コネシマと2人でか?」

そう言うとAちゃんはあからさまに動揺した。

ut「昔から仲良かったもんな?ほんとは好きだったんちゃう?」
『そ、そんなこと』
ut「俺が昔二股しとった腹いせか?あぁ?」
『ね、鬱…私そんなこと』

理不尽だってわかってる。でも俺はAちゃんのために変わった。
女癖が悪いのも直して、彼女一筋だった。それを全部裏切られた気分だった。

ut「いくらでもあいつのとこ行けばええよ」

返事の代わりにすすり泣く声が聞こえてきて思わずギョッとした。

『違う、記念日のプレゼント買いに行ってただけや』
ut「でもシッマに抱き抱えられとったやろ」
『ちょっと貧血でフラついて支えてもらったの』

ポロポロと流れる涙に罪悪感が芽生える。
勘違いも甚だしい。何をしてるんや俺は。

ut「す、すまん、泣かんといて?」
『誰のせいやと思ってるん、このアホ!!』

さっきまでの俺の怒りは何処へやら。
濡れた頰を指で拭いてやる。

『私が鬱のこと裏切るわけないやないの』
ut「ごめんなぁ、俺がバカやった」

なかなか泣き止まんAちゃんを抱きしめながら、数分前の自分を殴り倒すのだった。

無能と記念日→←彼女とツイッター



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支配人B(プロフ) - 赤月結 穂乃さん» うわぁぁ、ありがとうございます!スローペースで作りますね… (2019年1月3日 23時) (レス) id: a003c0392f (このIDを非表示/違反報告)
赤月結 穂乃(プロフ) - コメント失礼いたします。この作品のd先生とても好きです…完結おつかれ様です!無能と奥様待ってます…(小声) (2019年1月3日 23時) (レス) id: b9218727f6 (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - 雪だるまさん» ありがとうございます〜!ちょうど完結してしまったんですけど、ぼちぼちこの後も書いていく予定なのでよろしくお願いします〜 (2019年1月3日 20時) (レス) id: a003c0392f (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - コメント失礼します〜。こういう雰囲気とても好きです……!今後の展開にドキドキです、更新ゆるりと待ってます(*´ω`*) (2019年1月3日 19時) (レス) id: 07f5401da2 (このIDを非表示/違反報告)
支配人B(プロフ) - ぺんぺけさん» ありがとうございます!これからも頑張らせていただきます〜 (2019年1月3日 1時) (レス) id: a003c0392f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:支配人B | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年11月22日 1時

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