【実|況|者】サイケデリックな風景を 4【短編集】

台風と傘/PP ページ40

『うええ、台風だってさ』
「明日とかには来るらしいよ？」
『せっかくの休日なのになぁ』

Aちゃんはぼーっとしながら、寒そうな窓から外を眺めている
風邪引いちゃいそうだなぁ、あれ

『お化粧もとれちゃうし、セットした髪型も湿気でとれちゃうし、お気に入りの傘壊れちゃうかも』
「出かけようと思ってたの？」
『うん、ぴーちゃん連れて遊園地にでも行きたいなぁ、って思ってたの』
「久しぶりに休み合ったもんね」
『なんでこういう時に限ってお天道様は味方してくれないの！生贄でも出せば出てきてくれますか！』
「そうだねぇ」

やっぱり僕の彼女は頭の中でものすごいことを考えているらしい
生贄だなんて物騒だなぁ

『ぴーちゃんはさ、雨好き？』
「うーん、嫌いじゃないよ」
『私は傘が壊れちゃうような雨の日は嫌い』
「なんでそんなに傘が大切なの？買えばいいじゃん」
『ぴーちゃんそれマリーアントワネットみたい』

うわぁ、って顔されたけど普通に考えてそうじゃないのかな？
いつか傘は壊れるんだし

『だってさ、あの傘ぴーちゃんが可愛いって言ってくれた傘だからさ』
「あれ？そんなこと言ったっけ？」
『えぇ？！覚えてないの！このメガネ！』
「うぇぇ、怒んないでよ」

そんなこと言ってるけどさ
このメガネだってAちゃんに似合ってるって言われたから、フレーム変えてないんだけどね


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台風連続ですね
もう冬みたいな気候なのにね

夜明けの来ない森 1 /towaco→←悪い癖/Uszw

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