【キ.ヨ】ヤンキーですが？

21回目 ページ22

『風邪移しちゃったらごめん』

「先に薬飲んどけば何とかなるだろ」

『そういう問題なの？』

「ま、かかってもお前に看病してもらえばいいから」

『何を勝手に…』

もしなったら私のせいなんだけどね

いや、でもそういう言葉も私を期待させるには十分だ

「ま、全部話してくれてありがとな」

『ううん、こんなことにしちゃって申し訳ない』

「良いって良いって、あー、あとフジ帰ったっぽいな」

『うん連絡来てた、猫も一緒だってさ』

「そうか」

しばらくの沈黙

何を話せば…

時計を見て思いついたことを口に出す

『夕飯作ろうか…？』

ちょうどそれぐらいの時間だ

「良いって、お前病み上がりなんだし…今日は帰るわ」

『そっか…じゃあ気を付けてね』

玄関まで送ってバタンと閉まった扉が虚しい

なに舞い上がってんだろ

1人でキヨのこと振り回してるだけじゃん…

今まで大好きだった髪の色も今は憎たらしく見えてきた

『私バカだ』

さっき夕飯の話をしたものの今日はなんだか食べる気になれなくて、風呂入ってそのまま寝てしまった

もう明日が来なければいいのに

そんな思いも、朝の目覚ましで消される

憂鬱だけど行かなくちゃ

学校だけは行くって決めたから

自分にそう言い聞かせながら支度をした

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