言えない言いたい言いたくない（Daiki.A Ryosuke.Y）

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山田くんは、じゃっかん斜め後ろにいる私に振り向く。


A「ん？！いや、その、ほら、変な誤解うけてるよ？？」



山田「変な誤解？？」



山田くんが軽く首を回す。


周りの女子たちが、ひそひそやっているのに気づいたようだ。



山田「あー・・・ごめん。迷惑かけて・・・」


A「へ？！違う違う！迷惑かけてるのこっちだから！」



山田「え？？」



A「行こ行こ！いそご！！！」



私は今度は山田くんを追い抜いてダッシュをした。


山田「あ、Aちゃん！ちょ！！」








はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・。



山田「あはははは、Aちゃん、運動不足？？」


A「き、帰宅部ですから・・・はぁはぁ」




私は山田くんより先にダッシュしたというのに。


ちょうど校門を抜けたところで、山田くんに追い越された。



でも。山田くんなりに気を使ってくれたみたいで。


そのまま、他の生徒があまりいないところまで走ってくれて。


私もそこについて行くようにダッシュした。





山田「あははは。女子とダッシュなんてしたの初めてだわ」


山田くんがすごく嬉しそうに笑うから。


なんだか私もつられて笑う。




山田「あ。行きたい雑貨屋さん、こっちなんだ」



山田くんが指差す方向に顔を向けると、私も知っている雑貨屋さんだった。


山田「あそこ妹がよく行ってるんだけどさ。女の子ばっかりだから入りにくいんだよなー」



確かに。


あの雑貨屋は、動物やお花とか、とにかく女の子が大好きな可愛いをモチーフにした雑貨屋さん。





カップルで入ってくる男性を見たことは何度もあるけれど、

男の人だけ、って、あんまり見かけないかも。

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