ねぇ好きなんだよ健人くん

no.39 ページ39

〜kento said〜




気付けば、ハイタッチ会の前日




俺は最近、有難いことに




仕事がまぁまぁ忙しく、学校にも




なかなかいけない状態




それにともなって、Aにも会えないから




軽く禁断症状ってやつなわけで




それなのに久しぶりに学校に行けば




Aは隣の席の理央と




いちゃいちゃ、いちゃいちゃ、いちゃいちゃ




もう俺はここ最近まともにAと話せてない




なのに、理央とはいつも話してる




俺と話すより楽しそうだし。









気付くと、もう放課後




撮影までまだ時間あるな




俺は時間を潰すために




近くにあった店にはいる




え、A？




そこにいたのはAと永野




すると永野がめっちゃでかい声で




俺を呼ぶ、一応俺も変装してるんだけど笑




呼ばれたから、とりあえずいくと




いきなり永野が




Aの洋服の感想を求めてくる




えっ、そんなの可愛いに決まってる




本気で世界で一番かわいい




でも、この服、風磨のために選んでるんだよな




俺がそんなことを思いながらも




Aのことをガン見してると




気付けば、Aの顔は真っ赤




は？




なにその反応




風磨のことが好きなくせに、ずるいんだよ




俺の気なんて知らないで




俺はつい、意地悪したくなって




『可愛い、Aに似合ってるよ』と微笑む




案の定、Aは更に顔が赤くなる




あーもう、意地悪してるのに




可愛いすぎて、なんなのもう




俺はなかば投げやりになってきて




『愛しの風磨くんのためにおめかし？』




と聞く




予想通りAは




そういうこと、という




本当に面白くない




分かってたけどさ




"健人くんのためだよ？"とか言われてみたいよね




可愛すぎるのも、似合ってるのも本心だけど




こんな可愛い姿、風磨のためにしてるのが




面白くない、まじで面白くない




Aにこれに決めたのか聞くと




これに決めたらしい




俺は店員さんのところにいって




勝手に、会計を済ませる




だってさ




風磨のためにあんな可愛いAを




見られるくらいなら、俺がプレゼントした服を




風磨のためにって方がまだいい




付き合ってもないのに




俺の独占欲、我ながらヤバイな




でもそんくらい好きなんだよ




Aはこれっぽちも気付いてないけどさ

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