恋人 “ごっこ" Kento.N 〈2〉

Story50 ページ5

．




放課後



いつも健人が教室に迎えに来てくれる



でも今日は来なさそう









．









...やっぱり来ない



しょうがない､今日は私が行こ









「健人ー､帰ろ...ってあれ?」









...いない



昇降口?









走って行くとそこには



ぴったりくっつく...朱里ちゃんだっけ?と



困った顔をした健人がいた









健「ほんとに離してくれない?」


朱「やだ!あの女のとこいっちゃうもん!」


健「あの女って...Aは彼女なんだけど」


朱「あの子性格悪いからやめた方がいいよ!」









おい



あんたに言われたくないわ



てか健人は私が性格悪いの知ってるし､笑









「健人」


健「あ､A!」


「朱里ちゃん､離して


私と一緒に帰るんだから」


朱「違うよ!朱里と帰るの!」









この子の頭どうなってるの?









健「取り敢えず離して」


朱「やだ」


健「離せ!」


朱「...!」









大声を出した健人にびっくりして



ばっと手を離す









健「...ごめん､君とは帰れないから」


朱「...」


健「行こ」









いつもの健人に戻り



朱里ちゃんにそう声をかける









健「まじうぜぇ､あいつ」


「...」


健「A?」


「...え?」


健「...どうした?」


「...ううん」









．









言えるわけない



抱き着かれてる光景を見て



なんだかモヤモヤしてるなんて＿＿＿




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