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翌日、学校に着いた直後、地理のテキストを開いた。
昨日は 藤井さん 騒動のせいで全く出来なかったからね。
しばらく集中して問題とにらめっこ。
すると、教室内の空気が一気に変わり、叫び声に包まれる。
「 流星くん来たっ!!!!!!!」
「 うわぁ〜、めっちゃカッコいい!!!!!」
なんていう女子の声がザワザワと。男子も何かを話しているみたいだ。
いつのまにか 藤井くん呼びから 流星くん呼びになってるし。
私はまたテキストに目を落とした。
すると、背後から声が。
「 なあ。」
振り向けば、藤井さんの姿が。
女子の視線が痛い…
「 やっぱ、昨日の事、おとんに話したら、何やってんねんって怒られたから
ちゃんと貰ってくれへん?」
と、封筒を差し出された。
紺色のカッコいい封筒の下には '' YOZORA '' との文字が。
中を覗けば… 一万円が。
「 ほんとにいらないです。大丈夫なんで。ほんとに。」
私は藤井さんに封筒を押しつける様にして、教室を後にした。
自動販売機で、いつも買う、ミルクティーを押した…
つもりだったけれど、押してしまったのは
バナナオレだった。
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作者名:紬 | 作成日時:2019年8月6日 20時