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地面にカフェオレは全部溢れて、
膝もでも擦りむくし、血も出てる。
あーあ… 最悪だ… 泣きそう。
不運な事に 藤井さんもこっちを見てる。さすがに気づきますよね。
人通りが少ない道とは言えども、数人は私を見て 歩き去っていく。
恥ずかしすぎるよ。こんなの。
私は何とか立ち上がった。
立ち上がった時に見えたのは、藤井さんの心配そうな顔。
「 大丈夫?痛そうやなぁ… 絆創膏、持ってたっけ… 」
と すごく心配してくれてる。優しい。
「 あっ、あの、すみません。恥ずかしい所見せちゃって… 」
鞄を探りながら
「 全然恥ずかしくなんかないで。俺もようコケんねん。家の庭とかでしょっちゅう。」
なんて言いながら 絆創膏を取り出してくれた。
「 んーっと、こことここやな。」
自ら屈んで 膝に貼ってくれる。
「 本当にすみません… 」
腕にも絆創膏を貼ってくれたり。本当に良い人。
私もカフェオレ付きの地面を少し拭いて、あとは自然の力にお任せ。
血も藤井さんの絆創膏に助けられて止まった。感謝。
「 藤井さん、本当にありがとうございました。あと、これ。」
一万円を渡す。
「 あ、もしかして、さっきハンバーガーくれた子?」
… もしかして、気づいてなかったんですか… 。
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作者名:紬 | 作成日時:2019年8月6日 20時