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「 正式に付き合う、とは? 」
「 そのまんまやん。交際宣言や。なんか問題でも? 」
「 問題だらけです 」
「 何で? 」
藤井さんはだいぶ感覚というか、何というか…。
天然なのかもしれない。
「 普通に考えてみてください。学年で1番と言っていいほど人気の藤井さんが、
この地味な私と付き合うっていう事に対して、問題が無いとでも? 」
「 のーぷろぶれむ、やったっけ?問題ないやん。 」
私はもう藤井さんを見る目が完全に変わってしまった。
イケメンな大手企業社長の息子、というより、抜けているイケメンの人、という風に。
「 と、とにかく!明日からは普通に接します。向井さんにも説明しておきます! 」
藤井さんはニコニコしながら、
「 またアイツに話しかけたら何されるか分からんで? 」
と言う。まあ、それはごもっともかもしれない…。
「 俺から言っといてあげる! 」
「 すみません、不安しかありません 」
「 大丈夫!俺を信じて! 」
「 信じますよ…? 」
「 うん、ちゃんと言うとくから 」
実を言うと、不安しかない。
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作者名:紬 | 作成日時:2019年8月6日 20時