健人担ですけどなにか？ Fuma.K (ページ4)

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今日は昨日のセクゾの余韻に浸りながら大学に行った。

｢Aおはよー｣

『あ！朱里おはよー！』

｢なんか今日はテンション高いですねー｣

『だってだって！

昨日のセクゾの新曲めっちゃかっこよかったんだよ！！

あの曲私のタイプ！』

｢Aいっつも新曲出るたびにそう言ってるよね。｣

『だって！！セクゾの曲って全部神曲だもん。』

｢そっか、それはよかったですねー。｣

テキトーに返事をする朱里。

朱里はたいてい私が健人くんのこと話すといつもこんな態度だけど、コンサートとか一緒に行ってくれるんだ。

本当はセクゾ見るの楽しみにしてるんじゃないかって内心思ってる。

『あ、あそこに朱里の彼氏いるけど会いに行かないの？』

｢あぁ、あいつとは別れた。｣

『え！もう別れたの！？』

｢だってもう飽きたんだもん。｣

『はぁー』

呆れて大きなため息が出る。

この人はいっつもそう。

ある程度の期間付き合うとすぐに別れる。

事あるごとに彼氏がころころ変わる。

まあ、言っちゃえば小悪魔？

｢別にいいでしょ、楽しいんだから。

てかさAもそんないつまでも夢見てないで彼氏作りなよ。｣

『えー、彼氏なんて作っても嫌なことしかしないもん。』

｢まだそんなこと言ってるの？

確かにAの元カレは最低なやつだったけど、みんながみんなそういう人じゃないと思うよ。

付き合ってみれば楽しいこともあるだろうし。｣

『そうかもしれないけど…

私、もうあんな辛い思いしたくないの。』

｢Aがそういうならしょうがないけどさ…｣

私には彼氏なんていらない。

アイドルなら程よい距離が置ける。

だから私は好きになったのだ。

かっこいいこと言って夢を見させてくれる健人くんに。