君だけだから。 (ページ22)

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次の日の朝、勝利も聡もいつも通りだった。
いつもと同じ時間に家にきて、
おはようって笑う。

めんどくさいなって昨日は言ったけど、
切り替えの早さはすきだよ。笑

玄関で靴を履き替えてると、
こりゃまたいつも通りの出来事。

中「あ！おはよう！！」

あれ、今日はタメ口なんだ…

大量のプリントの束を持って、
ちょっと額に汗をかいてる中島くん。

汗をかいているのもプリントを持っているのも
いつもと変わらないのに、

今までずっとおはようございますだったのが
おはようにかわるだけで
こんなに変な感じするんだ。

他の人だったらスルーするくらいの違和感が
中島くん相手だととてつもない違和感に感じる。

私「 …おはよ、」

中「あのさ！名前、教えてください！」

わたしもタメ口で返したほうがいいのかも？
と思ってタメ口でおはようと言い返したら
今度は名前を教えてくれと頼まれた。

タイミングも、わたしがおはようと
いつもより軽い感じで返したのを嬉しそうにする意味も
わたしにはよくわからなかった。

私「中島Aです…」

名字、同じだから
あんま言いたくなかったんだけどな。

中「中島さんか…名字オレと同じですね」

私「そうみたいですね」

中「なんか、ややこしいからAちゃんでもいい？？」

中「あっ…いきなり名前は嫌か、ごめんなさい」

名字、しってたんでしょ。
私が名前言った時笑ったのわかってたんだから。
それにまた敬語になってるし。
私何も言ってないのに、名前嫌か…とかいってるし。

反応が面白すぎて、ツボ。

でもごめんなさい、
これ以上は話せないの。

後ろでものすごい圧をかけてくる、
幼馴染がいるので。
片方はいいんだけど、厄介なのがいまして。

私「名前で、いいよ。健人くん！」

中「え！！！！！！！！」

私「勝利、教室いこ？」

歩き始めたあと、後ろから
中島くんの悲鳴みたいな声が聞こえた気がしたけど
聞こえなかったことにしよう。

それより横を歩く、
この短気すぎる幼馴染、どうしよう。

聡が懸命になだめるけど、
オワッテルネ応答しないもん。

聡「勝利じゃあまた帰りね！Aも！勝利が勝手に帰らないように見張ってて！」

勝「 …」

私「 …はーい、」

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