甘く、ほろ苦く。

Bittersweet ページ5

今日は家に誰もおらんくて、


ひとりでゆっくりできる。









そう思ってたけど、









ピンポン押すくせに


私が出たら、ずかずかと平気で家に入ってくる大毅のせいで









ゆっくりできひんやんか。









ほんまは嬉しいくせに。


素直になれへんねん。









「なにしにきた。」









なにも用がなくてもきて欲しいくせに。









「元気してるかなぁって。」


「あほ。」









大毅の好きな


オレンジジュース入れてあげる。









「お前、バレンタインの用意なんもしてへんやんか。」









キッチンに来てそう一言。









「今日買いに行くはずやった。」









可愛くない言い方。






大毅が言うてる、ごっつかわいい子は


私と正反対なんやろな。









「付いてったろか？」



「ええわ。大毅も忙しいやろ？」









ちょっと、気いつかっただけやのに。









「なんやお前？きもちわる。」



「いつもとちゃうやんけ。」









幼なじみってだけでこんなん言われるん。








こんなんやったらいつまで経っても


可愛い子みたいになれへんやん。









「うっさい、あほ。」









暴言しか吐かれへん。



もう女の子ちゃうやん、って





小学生の時、一回言われた事ある。









それがいまになっても言われそうで


こわいねん。









直らへんねんもん、頑張って直そうとしても


大毅、どーせ変って言うんやろ。









ほんま、









きらい。

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