〆 25 ページ25
このお祭りは海の近くでやってるから、花火は海沿いで見るのが恒例。
「りんご飴買ってくる !! 」
小瀧「俺も行くで?」
「んーん、ひとりで行ってくるから、先に海沿い行ってて?」
小瀧「わかった。」
ひとりでりんご飴を売ってるとこに向かう。
りんご飴と望の好きないちご飴を買って海沿いまで向かう。
________ ヒュー ドンっ!
花火が打ち上げられた。
「うわー、やっちゃった。望と見たかったのに。」
ボソッと呟いて急いで海沿いを走る。
ふと見つけた、大きくて大好きな背中。
「望っ !! 」
声を掛けて駆け寄る。
「はい、望の。」
小瀧「え、買って来てくれたん?」
「うん。」
小瀧「ありがと。」
いつものように笑うからこっちまで笑顔になる。
望と肩を並べて花火を見る。
望の横顔をチラッと見ると、望は花火じゃなく違う方を向いていて。
「望?」
声を掛けても反応がなくて。
望の視線を辿ってみると
そこには、
あの時の " 由紀ちゃん " がいた。
望は愛おしそうに見つめてる。
ああ、こんなはずじゃなかったのに。
「っ ... 望、行ってきな。」
震える声。
こんなにも好きやのに
なんで届かへんねやろ?
小瀧「 .... (人1) ? 」
名前を呼ばれるのもこれで最後なんかな?
「ほら、早く。」
「由紀ちゃん、すぐどっかいくで?」
頑張って振り絞った笑顔。
ちゃんと笑えてる?
小瀧「 .... っ 。 」
ああ、もう泣きそう。
「ちゃんと、伝えんと、届かへんで?」
早く。
涙が溢れる前に、早く行ってよ。
小瀧「(人1) ... っ、ごめん。」
悔しい。
悔しすぎる。
「っ ... ちっとも、振り向いてくれへんやんか。 」
堪えてた涙は壊れたおもちゃのように
次々と溢れて、止まることを知らない。
398人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lovely(プロフ) - 胸きゅんパナイです。 (2016年11月29日 1時) (レス) id: 988f23be94 (このIDを非表示/違反報告)
のんち - 続編みたいです! (2016年6月2日 0時) (レス) id: 204540b13e (このIDを非表示/違反報告)
ちゅぴぇー - 続編みたいです! (2016年1月2日 0時) (レス) id: 31e635eaec (このIDを非表示/違反報告)
ちゅぴぇー - ドキドキしました! (2016年1月2日 0時) (レス) id: 31e635eaec (このIDを非表示/違反報告)
らいり - 続編ぜひ見たいです! (2015年12月27日 23時) (レス) id: 6b169c82c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小瀧のんすけ | 作成日時:2015年3月22日 21時